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【特集】タカショー Research Memo(9):エクステリアやコントラクト分野、海外事業が中期的成長をけん引


■成長戦略

タカショー<7590>は、「ガーデン&エクステリア ライフスタイル メーカー」としてさらなる成長を実現するため、1)垂直ビジネス、2)グローバルビジネス、3)トータル化ビジネス、4)近代化ビジネスの4つの方向性を掲げている。

1)垂直ビジネス
同社の特徴である「企画から製造、販売、卸、サービス(メンテナンス)までの一貫したビジネスモデル」をさらに進化させ、現場視点による価値創造とコスト競争力を高めていく方針である。

2)グローバルビジネス
同社は、ガーデニング及びエクステリア分野における幅広いソリューションを世界規模で提供できるオンリーワンとして、海外展開にも注力する。中国での生産能力及び生産効率を高め、ホームユース向けを中心に、欧州、米国、オーストラリアのほか、韓国や中国現地への販路拡大を進めている。欧州では、英国子会社ベジトラグの開発商品である「ベジトラグアイテム」が好調であるが、2015年2月にはベジトラグを通じて米国ペンシルベニア州に販売子会社を設立し、市場の大きな米国でのさらなる販路拡大を進めている。一方、生産拠点である中国には約2万坪の工場を擁しているが、稼働率はまだ30%程度と推定される。したがって、米国市場からの受注拡大にも対応可能であるとともに、稼働率の向上により損益改善の余地もあるとみられる。

同社はホームユース向けについては、ガーデニングの本場である英国で企画・ブランド化した定番商品をアジア(中国)で大量生産し、日本を含めた世界各地に提供するグローバル展開を目指している。また、国内で生産しているプロユース向け(エクステリアやコントラクト分野)の販路拡大についても推進する構えである。

3)トータル化ビジネス
同社は、ガーデン及びエクステリアの住宅領域に加え、市場規模の大きな非住宅領域であるコントラクト分野にも本格参入した。ソリューション領域のさらなる拡大を図るとともに、そこから派生する様々なニーズに対して、業態に囚われることなく、国内外のグループが一体となった価値提供を行っていく方針である。なお、コントラクト分野では、需要が拡大している景観建材として「エバーアートボード」や「エバーバンブーR」などの提案を強化していく。また、同社のコンセプトである「5th Room」(庭をリビング、ダイニング、キッチン、ベッドルームに次ぐ5番目の部屋とする)に共感するメーカーや卸、設計事務所、施工業者との連携強化を図るとともに、現場に合ったものを必要な分だけ一括で供給できる体制など、現場の価値を高める仕組みを構築することで、他社との差別化を図っていく。

4)近代化ビジネス
同社は、「庭からできる省エネ・節電」と銘打って「スマートリビングガーデン」を提唱している。その一環として、LEDのイルミネーション、ソーラーライト、「ローボルトライト」など、自然エネルギーの利用や省エネタイプの商品開発を通じて、庭でできる省エネ・節電をテーマに庭からのエコを提案している。最近では、ハウスメーカーが注力している健康住宅や、注目が集まっている庭園療法(ガーデンセラピー)などのライフサポート分野へも積極的に取り組む方針である。

弊社では、好調なエクステリア分野に加え、市場の大きなコントラクト分野と海外事業の拡大が同社の中期的な成長をけん引するものとみている。特に来期以降は、米国の販売子会社が本格的に稼働しはじめる海外事業が大きく伸びるものと予想している。また、エクステリア分野についても、開発メンバーの増強などにより、素材を生かしたデザイン性や機能性のさらなる向上に取り組んでおり、シェア拡大の余地は大きいと考えられる。一方、業績の足を引っ張っている国内のホームユース向けについても、新たな販売チャネルの開拓のほか、既存チャネルに対する売り場提案やベジトラグ・ブランドの投入などを通じて立て直しを図る方針であり、その成果にも注目したい。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

《HN》

 提供:フィスコ

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