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【特集】タカショー Research Memo(1):庭での暮らし方を提案、通期業績は巻き返しを見込む


タカショー<7590>はガーデンニング及びエクステリア商品の企画、製造、販売を主力としており、ガーデニング用品の取り扱いでは国内最大級の規模を誇る。「やすらぎのある空間づくり」を基本コンセプトに、人工・天然の竹木製フェンスやガーデンファニチャー、緑化資材のほか、照明器具や池・滝・噴水なども手掛けている。庭での暮らし方を提案するライフスタイルメーカーとして業容を拡大してきた。加えて、国内のみならず、海外への販路拡大にも積極的であり、欧州、米国、アジア、オセアニアなどへの展開も同社の成長を後押ししている。

2015年2月には、英国子会社ベジトラグ(株)が米国に販売子会社を設立した。ホームユース(ホームセンターなどへの卸売りによる一般消費者)向けについては、ガーデニングの本場である英国で企画・ブランド化した定番商品を中国で大量生産し、日本を含む世界各地へ提供するグローバル展開を目指している。また、国内のプロユース(ハウスメーカーやエクステリア施工業者)向けでは、エクステリア分野(住宅の門扉やフェンス、カーポートなど)に加えて、レストランやホテル向けなど市場の大きなコントラクト分野(非住宅市場向けの建材・外装)にも参入した。本格的な業績貢献はまだこれからの段階であるが、新たな成長軸が着実に立ち上がってきている。

2016年1月期第2四半期連結累計期間(2015年2月?7月)の業績は、売上高が前年同期比2.5%減の9,675百万円、営業利益が同3.8%増の525百万円と、減収ながら増益となった。ただ、注力する商品群である「エバーアートウッドR」関連商品や「ローボルトRライト」、景観建材がプロユース向けに伸長したものの、消費税増税に伴う住宅市場の低迷によりエクステリア分野が出足で苦戦したことや人工強化竹垣などの和風関連商品の販売が減少したこと、ホームユース向けもホームセンター業界の低迷や天候不順などの影響から、売上高、各利益ともに計画を下回る進捗となった。

2016年1月期業績予想について同社は、期初予想を据え置いており、売上高が前期比5.0%増の19,404百万円、営業利益が同94.9%増の1,176百万円と増収増益を見込んでいる。上期実績が計画を下回ったものの、足元でエクステリア分野が回復傾向にあることやコントラクト分野での大型案件が予定されていることに加えて、ホームユース向けも日除け商品に対する需要の期ずれ分や販促強化による立て直しを見込んでおり、下期での巻き返しは可能であると判断しているようだ。

弊社では、下期業績の進捗に加えて、コントラクト分野における案件の広がりやベジトラグ・ブランドによるグローバル展開の基盤づくりなど、来期以降の成長に向けた取り組みにも注目している。足元の業績は、様々な外部要因などが重なったことから、やや苦戦を強いられているが、ライフスタイルの変化に伴う需要の伸びに加えて、ガーデンセラピーなどの新しい領域への可能性も高まる中で、同社自らが市場を創造・育成していく活動が成功のカギを握ると考えられる。

■Check Point
・第2四半期は減収ながら増益に。プロユース向けは回復傾向
・通期は増収及び大幅な増益を見込む
・2016年1月期は17円配当予想、利益成長に伴う増配余地に期待

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

《HN》

 提供:フィスコ

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