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【経済】NYの視点:景気後退の兆候(リセッションリスク)


米連邦準備制度理事会(FRB)の理事も、年内の利上げは適切ではないとの見方を示した。タルーロFRB理事は米国の経済専門局CNBCとのインタビューで、失業率の低下は将来のインフレ上昇の指針にならないとの見方を表明。ブレイナードFRB理事も講演で、リスクが見通しを引き下げるかどうか様子見の方針が好ましいと指摘している。FRBの理事が金融政策に言及するのは極めて異例。

米連邦準備制度理事会(FRB)はゼロ金利政策を81カ月据え置いている。これは、FRBが創設されて以来で最長という。一部の指標は経済が景気後退に戻っている兆候も示されている。

●景気後退(リセッション)の兆候

*鉱工業生産は2015年の上半期5か月連続で減少。リセッション期以外でこの現象がおこったことはない。

*卸売売上高は景気後退時の水準。

*地区連銀の製造業景況指数も景気後退時の水準。

*小売売上高は前年比で2.4%増と、景気後退が開始した直後2008年1月と同水準。

*企業売上在庫比率は1.37と、景気後退が終了した2009年半ばと同水準。

万が一、経済が悪化した場合、すでにFRBがゼロ金利政策を実行中で、さらなる手段がないことが問題視されている。米国の歴史上でも、異例の低金利下で経済がリセッション入りしたことはない。金融システムにも深刻な影響を与えることになる。
欧州ではマイナス金利を実施しているが、ダドリーNY連銀総裁を始め、FRBは現状でマイナス金利を選択肢としないとしている。大統領選挙を控えて、資産の不均衡の拡大を生む量的緩和(QE)の拡大も困難となる。

《NO》

 提供:フィスコ

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