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【特集】日本調剤 Research Memo(8):16/3期1Qは3つのセグメントすべてで増収増益となる


■業績の動向

(1) 2016年3月期第1四半期決算

2016年3月期第1四半期(2015年4月?6月期)決算は、売上高48,895百万円(前年同期比13.4%増)、営業利益2,052百万円(同133.6%増)、経常利益1,896百万円(同150.8%増)、当期純利益1,221百万円(同316.9%増)と大幅増収増益で着地し、会社業績計画への進捗度も高い値となった。

セグメント別では3つのセグメントすべてで前年同期比増収増益となった。主力の調剤薬局事業では、既存店が順調に推移したことに加え、昨年後半に発売されたC型肝炎治療薬の処方増加が寄与した。医薬品製造販売事業ではジェネリック医薬品に対する需要増加を受けて売上高が伸長し、償却費の増加をこなして営業利益も大幅増益となった。医療従事者派遣・紹介事業においては、薬剤師の派遣・紹介先の新規開拓と新規登録者数確保が好調で収益が拡大した。

(2) 2016年3月期中間期及び通期見通し

日本調剤<3341>は好調な第1四半期決算を反映して、2016年3月期中間期(第2四半期累計)の業績見通しを上方修正した。新しい中間期予想は、売上高99,739百万円(前年同期比14.1%増)、営業利益3,650百万円(同39.2%増)、経常利益3,386百万円(同46.1%増)、当期純利益1,849百万円(同59.8%増)だ。

第1四半期の業績が特殊要因によるものではなく各事業がオーガニックに成長して好決算につながったことや、第2四半期に入って事業環境に大きな変化が見られないことなどを考えると、今回の上方修正値は依然として控えめで、中間期決算は修正予想を上回って着地する可能性は十分高いというのが弊社の印象だ。

前述のように、同社のジェネリック医薬品の処方比率は同業他社に比べて高いが、まだ上積余地は残っており、在宅医療についてはさらに改善余地が大きい。新規出店の効果も下期にはより大きくなると期待されるため、調剤薬局事業は期末にかけて収益の拡大基調が続くと弊社では考えている。医薬品製造販売事業や医療従事者派遣・紹介事業も、上期のトレンドが下期にも継続する公算が大きいと考えている。同社は、通期の業績見通しについて、売上高207,523百万円(前期比14.1%増)、営業利益8,200百万円(同23.4%増)、経常利益7,434百万円(同23.8%増)、当期純利益3,583百万円(同29.0%増)と期初予想を維持しているが、今後上方修正される可能性は十分高いと弊社では考えている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

《HN》

 提供:フィスコ

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