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2015年10月15日15時09分

【経済】中国:定年延長に向けて意見公募へ=人社部の尹部長


高齢化が加速する中国で、定年退職年齢の引き上げ議論が再び高まっている。当局の中国人力資源社会保障部も、この問題の研究を率先して進めてきた。草案を中央政府にまず提出し、承認が得られた場合は、実施に向けた意見公募の手続きに入る方針という。
中国人力資源社会保障部(人社部)の尹蔚民・部長は14日、中国の定年退職年齢が平均で55歳に満たない現状を指摘したうえで、段階的に見直すべきと発言。毎年数カ月ずつ延長し、合理的な水準に近づけていく必要があるとの認識を示した。一部のアフリカ国家を除いて、欧米先進国では65~67歳定年が主流になっていると紹介。平均寿命が大幅に伸びるなか、中国も定年延長に取り組む時期を迎えたと説明した。
退職年齢を男女とも満65歳に延長する方向で、同部が検討に入ったとされる。人口の高齢化、生産年齢人口比率の低下が背景だ。現行の退職年齢は、男性で満60歳、女性幹部で55歳、女性一般職員で50歳。これは1950年代に「労働保険条例」で定められた。ただ、中国全体の平均寿命が74歳に延びるなか、退職後の年金支給の財源確保が危ぶまれる状況となってきた。
すでに中国では、2013年から16~59歳の労働人口が減少に転じている。一方、60歳を超える高齢者の人口構成比率は15.1%(約2億1000万人)に拡大した。この比率は、20年に19.3%、50年に38.6%まで上昇する見通し。定年問題を放置しておけば、国の医療費負担が加速度的に膨らみ続ける危険性を孕む。
高齢者扶養率(生産年齢人口に対する高齢者人口の比率)も急ピッチに高まった。足元では、生産年齢人口3.04人で高齢者1人を養わなければならない。このままのペースで進行すれば、20年には生産年齢2.94人で、50年には生産年齢1.3人で高齢者1人を養わなければならなくなる。

【亜州IR】

《ZN》

 提供:フィスコ

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