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【特集】フォトクリエイト Research Memo(8):共通技術を両社で相互活用・共同開発することで競争力の向上へ


■今後の見通し

(2)アロバへの出資について

フォトクリエイト<6075>は2015年7月にネットワークカメラ管理システムの開発を行う(株)アロバに出資し(出資比率49%、取得額490百万円)、持分法適用関連会社にしたと発表した。また、同時に同社会長である白砂晃(しらまさあきら)氏がアロバの社長に就任している。

アロバの開発したネットワークカメラ管理ソフト「アロバビュー」は、ネットワークカメラのOS(基本ソフト)となる。「アロバビュー」の特徴は、10メーカー、350機種以上の防犯カメラに対応しており、国内で開発しているため日本人が使いやすい操作性を持っていること、また柔軟なカスタマイズが可能なことなどが挙げられる。このため、ネットワークカメラ用ビューワ/録画管理ソフト市場では国内で約30%のシェアを持ち、7年連続でトップシェアを獲得するリーダー的存在となっている。導入実績も、発電所のような大規模施設からコンビニエンスストアに至るまで、1万社以上に上っている。

今回の資本参加の目的は、同社の今後の成長に不可欠な技術(画像認識、動画の加工、データ解析など)とアロバの防犯カメラ録画システムで必要となる技術が共通であり、両社の技術を相互活用、あるいは共同開発することで、さらに技術開発力を高め、競争力の向上につなげることにある。実際の事業面で直接的な取引関係は当面はないものとみられ、業績面では持分法投資損益として影響してくるものとみられる。

アロバの業績は非開示だが、直近では売上高が年間数億円規模で、利益は収支均衡レベルにあるとみられる。ただ、ネットワークカメラによる防犯システムの需要は防災、防犯意識の高まりから、年々拡大の一途をたどっている。特に、2020年の東京オリンピックに向けて、防犯カメラの設置が今後飛躍的に増加することが見込まれており、同社の業績面でもプラスに寄与する可能性が高いと弊社ではみている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HN》

 提供:フィスコ

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