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【通貨】欧米為替見通し:過去最悪の自爆テロでトルコリラ売り再開か


今日の海外市場では、ドル・円よりもトルコリラの値動きが注目されそうだ。10日に発生した、同国で過去最悪となった自爆テロが嫌気され、トルコリラは売りに振れやすい見通し。米年内利上げの後退観測やど最近発表された経済指標が上振れたことからリラ売りが一服していたが、爆弾テロをきっかけに、11月1日の再選挙に向け治安の悪化を警戒した売りが出やすいとみる。


報道によると、10日午前10時(日本時間同日16時)ごろ、トルコの首都アンカラの主要鉄道駅近くで親クルド派などによる集会を狙った自爆攻撃とみられる爆発が2回あり、少なくとも95人が死亡、246人が負傷した。トルコリラは、このと
ころ堅調な値動きで9日には41円58銭まで上昇したが、この爆弾テロを受け、40円59銭まで下落。足元では40円90銭まで値を戻している。


米年内利上げ観測の後退を背景に一段のリラ安が回避されたことで、トルコは利下げの可能性が遠のいた。前週はリラ買い安心感のなか、8日に発表された鉱工業生産が予想を上振れしたことが好感され、同国経済の不透明感がやや払拭されつつあった。こうした矢先の爆弾テロだった。


トルコリラ・円は、日本銀行による追加の金融緩和への期待感から、下落局面でも過度なリラ安は進まないだろう。ただ、ダウトオール首相は「イスラム国」かクルド組織、もしくは極左武装組織のいずれかによる犯行との見方を示した。
11月1日の再選挙に向け、治安の悪化はリラ売りの大きな材料となろう。

【今日の欧米市場の予定】
・21:10  ロックハート米アトランタ連銀総裁講演(経済見通し)
・23:30  エバンズ米シカゴ連銀総裁講演(金融政策、経済)
・05:30  ブレイナード米FRB理事講演(金融政策、経済)
・米コロンブスデー(株式は通常取引、債券は休場)
・カナダ(感謝祭)、ブラジル(聖母の日)は休場

《MK》

 提供:フィスコ

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