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【市況】決算タイミングでよりリターン・リバーサルが強く表れる【クロージング】


9日の日経平均は大幅に反発。297.50円高の18438.67円(出来高概算25億4000万株)で取引を終えた。後場に入り上げ幅を拡大させており、終値ベースでは9月17日以来の18400円を回復した。8日の米国市場では注目されたFOMC議事録で、低インフレ懸念で利上げ見送りが明らかになるなど、議事録の内容が好感された。シカゴ日経225先物清算値は大阪比195円高の18295円となり、これにさや寄せする格好からのスタートに。

ただし、前期業績が計画に届かなかったファーストリテ<9983>が急落。2016年8月期計画についてはコンセンサスを下回っていたことも嫌気され、終日軟調な展開だった。この流れがよりリターン・リバーサルの動きを印象づけるなか、鉄鋼や非鉄、鉱業といった資源・素材関連が買い戻されていた。

さらに、業績上方修正を発表した大林組<1802>が後場一段高となると、より、リターン・リバーサルの流れが顕著に表れていた。東証1部の騰落銘柄は、値上がり数が1600を超えており、全体の8割を占めている。

ちょうどリターン・リバーサルの流れと、小売決算とが交じ合わさったことにより、物色の流れが強く表れたが、来週は米国で大手金融機関の決算が予定されている。業績に対する関心が高まるなか、インバウンドなどで業績好調を先取りしていた銘柄等へは、利益確定が意識されやすい。一方で、中国の貿易収支や消費者物価指数が予定されており、資源・素材株への物色が更に強まるかが注目されるところ。

《AK》

 提供:フィスコ

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