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【特集】あいHD Research Memo(2):「売上高より利益を優先」の改革で会社を再建・拡大


■会社概要

(1)沿革

あいホールディングス<3076>は2007年に(株)ドッドウエル ビー・エム・エスとグラフテック(株)が経営統合して設立された純粋持ち株会社であり、2015年6月期末では傘下にグループ会社25社(連結子会社20社、非連結子会社3社、持分法適用会社2社)を擁しているが、2016年6月期からは、前年に買収したNBS Technologies Inc.及びその子会社5社が連結子会社として本格的に業績に加わる。グループの主要企業は経営統合したドッドウエル ビー・エム・エスとグラフテックなので、これら主要企業2社の沿革を記す。

ドッドウエル ビー・エム・エスの起源は1950年に設立されたタイプライターサービスで、その後株式会社に改組して社名をドッドウエル ビー・エム・エスに変更した。当時の主たる業務はタイプライター、郵便料金計器、パソコンなどの事務機器の販売だったが収益は低迷していた。その後1994年に現在あいホールディングス代表取締役会長である佐々木秀吉(ささきひでよし)氏が同社を買収(51%の株式を取得)して経営トップに就いた。佐々木社長(当時)は「売上高よりも利益優先」を掲げて同社の改革を進め、1999年には同社株式を店頭登録するまでに再建した。

一方のグラフテックは1949年に横河電機<6841>をスピンアウトした渡辺氏が設立した渡辺研究所が前身で、日本初のX-Yプロッタ(自動作図機)を開発した会社である。その後、CAD用ペンプロッタを主力製品としてグローバルに事業を行っていたが、1990年代初頭に米国ヒューレット・パッカードがインクジェットプリンタを投入したのを契機にペンプロッタの需要が急減、業績悪化が続いた。全国にあった拠点を縮小して何とか持ちこたえていたものの、リストラの結果として顧客へのサービス劣化を招き、ドッドウエル ビー・エム・エスとの業務提携に業績回復の望みを託すこととなった。

純粋持株会社である、あいホールディングスは2007年に設立され、すぐに株式を東証1部に上場した。その後も新たな子会社の設立やM&Aを積極的に行い、順調に事業を伸ばして現在に至っている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

《HN》

 提供:フィスコ

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