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【特集】冨田康夫【米国株】秋の相場観特集_01 /2番底確認で上昇軌道へ復帰

冨田康夫
日刊株式経済新聞 編集長 冨田康夫

 2日に発表された米9月の雇用統計が、事前の市場予想を大幅に下回るさえない内容となったことを受けて、利上げ開始時期について年内見送り観測が高まったことなどから、最近の米株式相場は堅調な推移をみせている。

 NYダウ平均株価は、8月中旬からの世界同時株安のなかで、それまでの1万7500~1万8300ドルの高値圏でのボックス相場を大きく下放れた。8月24日には一時、1万5370ドルで大底をつけたのに続き、9月29日の安値1万5942ドルで2番底をつけた可能性が高まっている。今後は、8月に株価が下放れる前のボックス圏の下限である1万7500ドル水準を目指す展開が予想される。

 イエレン米連邦準備制理事会(FRB)議長は、9月24日の米マサチューセッツ州での講演の中で、世界経済の先行きについて「極めて不確実だ」とし、先々の状況次第では「適切な金融政策は変わりうる」との含みを持たせている。ただ、同時に「15年中のいずれかの時点での利上げが適切になる」との見解を改めて表明しており、年内利上げは困難になりつつあるとの見方が広がるなかで、利上げ先送り観測を牽制している。

 米9月の雇用統計は、市場を大きく下回ったものの、足元の米経済指標を見る限り、米国景気は家計まわりを中心に堅調を維持している。
 10月中旬以降、第3四半期(7~9月)の米企業決算の発表が本格化する。現状の市場コンセンサスは、前年同期比で小幅減益予想となっているものの、個人消費関連企業を中心に業績が上方修正されるケースが目立つことになりそうだ。

編集企画:株経通信(株式会社みんかぶ)   【秋の相場観】特集より

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