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【市況】後場に注目すべき3つのポイント~こう着は想定内だが、予想以上に底堅さが意識される


7日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・こう着は想定内だが、予想以上に底堅さが意識される
・ドル・円は119円89銭付近、日銀追加緩和見送りで乱高下
・ニュートリノ、カミオカンデ関連として浜松ホトニク<6965>、プラズマ<6668>、オルガノ<6368>


■こう着は想定内だが、予想以上に底堅さが意識される

日経平均は反落。30.52円安の18155.58円(出来高概算9億7000万株)で前場の取引を終えた。6日の米国市場では、原油高を背景にエネルギー株を中心にNYダウは小幅に続伸。一方で薬価に対する警戒からバイオ株が弱い値動きをみせており、ナスダックが下落している。シカゴ日経225先物清算値は大阪比変わらずの18170円だった。この米国の流れもあってか、利益確定の流れが先行した。

その後18200円を回復する局面もみられたが、日銀の金融政策決定会合の結果を見極めたいとする模様眺めムードもあり、ポジション調整的な流れからマイナス圏での推移となった。東証1部の騰落銘柄は、値上がり値下がり数が拮抗。規模別指数では大型株指数のみがプラスだった。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>が重石となる半面、ソフトバンクグ<9984>、ホンダ<7267>、ファナック<6954>が下支え。

日経平均のこう着は想定内だが、予想以上に底堅さが意識されている。25日線辺りまでいったん調整をみせてくるようなら、押し目拾いのタイミングとなろうが、下を売り込む流れにはなっていないようだ。もっとも、中小型株の一角に弱さが目立っており、物色対象は絞り込みづらい面はある。

決算を手掛かりとした個別対応やテーマ株、出遅れセクター等での循環物色の流れが続きそうである。先回りとしては、ノーベル化学賞候補への思惑でリチウムイオン電池関連辺りに打診的な資金が向かいやすいだろう。内閣改造を受けた政策関連への関心も引き続き大きいだろう。

(株式部長・アナリスト 村瀬智一)


■ドル・円は119円89銭付近、日銀追加緩和見送りで乱高下

ドル・円は119円89銭付近で推移。底堅い値動きとなったが、日銀の追加金融緩和が見送られたことから、売り買いが交錯した。

ドル・円は午前中の取引で、120円前半の水準で底堅い値動きが続いていたが、日銀の追加緩和が見送られるとみたファンド勢が売りを仕掛け、120円を割り込んだ。その後、日銀は現行の金融政策の維持を賛成多数で決定。これを受け、ドル・円は一時119円77銭まで売り込まれた。

午前中の取引で日経平均株価は反転し、小幅高となる場面もあったが、特に材料視されなかった。ただ、ランチタイムの日経平均先物は下げ幅をやや拡大。日銀決定会合を消化したことで、午後は株価が材料視され、ドル・円は弱含む可能性がある。

12時26分時点のドル・円は119円89銭、ユーロ・円は135円20銭、ポンド・円は182円73銭、豪ドル・円は86円04銭で推移している。

(為替・債券アナリスト 吉池威)


■後場のチェック銘柄

・Fリテ<9983>、エーザイ<4523>、アステラス<4503>が日経平均を約59円押し下げ
・ニュートリノ、カミオカンデ関連として浜松ホトニク<6965>、プラズマ<6668>、オルガノ<6368>
・電子部品関連の一角で下げが目立つ


☆後場の注目スケジュール☆

<国内>
・14:00 8月景気先行指数(予想:103.4、7月:105.0)
・15:30 黒田日銀総裁会見

<海外>
・15:00 独・8月鉱工業生産(前月比予想:+0.2%、7月:+0.7%)

《SY》

 提供:フィスコ

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