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【特集】SDエンター Research Memo(11):新株発行の状況次第では増額配当の余地、株主優待も利便性を増す


■株主還元

SDエンターテイメント<4650>の株主還元策は、配当金を基本としつつ、消費者向け事業を行っている点を生かした株主優待を組み合わせたものとなっている。2016年3月期については、8.86円配を予想している。同社は2015年4月1日付で1:2の株式分割を行っているため、前期の配当金は分割調整すると6.7円となる。したがって今期予定の8.86円という配当は実質的に増配となる。

ところで、同社は2015年3月に新株予約権を第三者割当により発行した。これにより発行済株式数は最大で93万株(約11%)増加することになる。同社の2016年3月期の1株当たり利益予想は現状、31.22円となっているが、93万株の潜在株式がすべて発行された場合の完全希薄化後1株当たり利益は30.0円となる。同社の8.86円の予想配当額は完全希薄化後1株当たり利益をベースに、公約配当性向30%から算出されたものである。しかしながら、8月時点で新株予約権行使に伴う株式発行数は15万株にとどまっている。今後、新株発行が進まず、一方で当初予定通りの当期利益が確保されれば、1株当たり利益は30.0円よりも増加することになり、それに伴って配当金も8.86円から増額修正される余地が出てくる。

同社はまた、株主優待制度も設けている。株主優待は、最低取引単位である100株の保有から権利が得られるほか、今回、1000株以上の保有者向けの枠を新設した。権利確定は年2回(3月末、9月末)としており、より株主優待を得られやすくなっている。内容も、従来の施設利用券に加えて健康コーポレーションの商品が加えられ、選択肢の幅が広がり、北海道外在住の投資家には利便性が増している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

《HN》

 提供:フィスコ

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