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【市況】短期的な過熱警戒も緩和期待から目先は押し目拾いのスタンス/ランチタイムコメント


 日経平均は大幅に続伸。267.82円高の18273.31円(出来高概算10億6000万株)で前場の取引を終えた。5日の米国市場では、先週の雇用統計を受けた年内利上げ観測を引き続き材料視されて買いが先行。環太平洋連携協定(TPP)交渉が12カ国で合意に至ったことも好感されており、NYダウは300ドルを超す上昇となった。この流れから、日経平均は連日でマドを空けての上昇。上値抵抗として意識されていた25日線を明確に上放れた。
 もっとも、直近5営業日で1000円を超える上昇となる中、抵抗線突破で利食いも出やすい。その為、買い一巡後は18300円を挟んでの狭いレンジ取引が続いている。東証1部の騰落銘柄は、値上がり数が全体の7割を超えている。規模別指数は大型、中型、小型株指数ともに2ケタの上昇。セクターでは鉄鋼、水産農林、石油石炭、機械、精密機器、鉱業、非鉄金属、情報通信などが強い。一方で、ゴム製品が唯一マイナスだった。指数インパクトの大きいところでは、ファナック<6954>、ファーストリテ<9983>、ソフトバンクグ<9984>がけん引。

 日経平均は25日線のほか、一目均衡表の基準線をクリアし、パラボリックはSAR値にタッチしたことで、陽転シグナルが発生している。週足の一目均衡表では雲上限を上回っての推移となるなど、テクニカル面では一部で好転をみせてきているため、上値の重さが意識されるものの、弱気に傾く流れにはならないだろう。
 また、このところは後場に入りインデックスに絡んだ商いで上げ幅を拡大させる傾向にある。先物市場の動向にも注視する必要があるだろう。明日の日銀の金融政策決定会合の結果に対する期待はない。経済・物価情勢の展望(展望リポート)を策定する10月30日の金融政策決定会合で、追加緩和に踏み切る可能性が高まっている状況。短期的な過熱感が警戒される可能性があるが、目先は押し目拾いのスタンスになろう。(村瀬智一)
《AK》

 提供:フィスコ

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