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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):井関農、タカラバイオ、SUMCO、富士通ゼ

■井関農機 <6310>  190円  +14 円 (+8.0%)  本日終値  東証1部 上昇率4位
 井関農機<6310>が急反発。同社は稲作向けを主力とする農業機械の大手で、スマート田植機の開発や農業生産者向けクラウドサービスなどICT化戦略で先駆する。今回最終的な閣僚会合として注目されていた米アトランタで開催の環太平洋経済連携協定(TPP)交渉は、参加12カ国が大筋合意に達する見込みとなった。これを受けアベノミクスが推進する成長戦略のひとつである農業分野強化の思惑が、同社など農機メーカーのビジネスチャンスに結び付くとの期待につながり買いを誘っている。このほか、丸山製作所<6316>やクボタ<6326>なども同様の背景で物色資金を呼び込んでいる。

■タカラバイオ <4974>  1,180円  +65 円 (+5.8%)  本日終値
 タカラバイオ<4974>、カイオム・バイオサイエンス<4583>、ペプチドリーム<4587>、ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング<7774>、コスモ・バイオ<3386>、メディネット<2370>、テラ<2191>、新日本科学<2395>、プレシジョン・システム・サイエンス<7707>などバイオ関連株が一斉高となった。TPPでは最大の懸案だった医薬品で米国とオーストラリアが歩み寄り実質的に決着。「これに先立って、前週末の米国株市場でバイオ関連株が大きく買われており、この流れが日本に波及した」(国内準大手証券)という見方が出ていた。国内では政府もiPS細胞技術の深耕には積極的で、2022年度まで年間1100億円の予算を作成するなど再生医療分野への政策的恩恵が厚い。法律面では昨年11月に再生医療の実用化を目指す「再生医療安全確保法」と「医薬品医療機器法」(旧薬事法)の関連2法が施行されており、9月中旬に労働厚生省がテルモ<4543>、JCRファーマ<4552>などが申請していた再生医療製品の製造販売を承認するなど、ここにきて動きが出ている。

■SUMCO <3436>  1,166円  +60 円 (+5.4%)  本日終値
 SUMCO<3436>が急反発。スマートフォンの世界的な普及加速を背景に同社が手掛ける大口径シリコンウエハーの需要が高水準で収益を牽引しているものの、最近は世界最大のスマホ出荷先である中国の景気減速懸念から株価は底値圏推移となっていた。きょうは半導体製造装置大手の東京エレクトロン<8035>が15年4~9月期の業績好調見通しを背景に4日続伸と戻りをみせており、同社株など他の半導体関連株にも物色人気が波及している。シリコンウエハー需給関係は、今後中期的にも需要タイト感が続くとみられ、経費抑制などの合理化効果も考慮して、同社の15年12月期は増収増益を確保するとの見方が市場では強い。

■富士通ゼネラル <6755>  1,394円  +70 円 (+5.3%)  本日終値
 SMBC日興証券が2日付のリポートで富士通ゼ <6755> の16年3月期営業利益を従来予想の212億円→240億円(前期比12%減)に上方修正したことが買い材料視された。リポートでは、消防無線特需のピークアウトから前期水準を下回るものの、会社計画230億円を上回ると予想している。バーツ安や人民元安により、為替影響を従来の38億円のマイナスから2億円のマイナスへと見直したことが背景。なお、投資評価「2(中立)」と目標株価1800円は維持した。

■IIJ <3774>  2,087円  +97 円 (+4.9%)  本日終値
 インターネットイニシアティブ<3774>が3日ぶりに反発。同社はきょう、セキュリティー対策を強化したWebメール「MailTAP」の提供を開始したと発表。これが買い手掛かりとなっているようだ。MailTAPは、企業のメールシステムに必要なセキュリティー機能をクラウド型で提供する統合メールセキュリティーサービス「IIJセキュアMXサービス」のオプションサービス。標的型メール攻撃や情報漏洩対策に有効な機能を持っている。

■ニチレイ <2871>  786円  +36 円 (+4.8%)  本日終値
 ニチレイ<2871>が4日続伸。国内大手証券はニチレイについて、主力2事業の業績予想を若干上方修正するものの、ベンチマークのPERの低下を踏まえ目標株価を910円から790円へ引き下げている。ただ、株価に割高感はないと指摘しているほか、引き続き、低温物流事業では高騰した庸車費の荷主の価格への転嫁、輸送ルートの見直しなどによるコスト削減が、加工食品事業では冷凍食品の市場拡大による増収と工場再編などによるコスト削減が増益に寄与するとの見解を示している。

■アドヴァン <7463>  1,014円  +46 円 (+4.8%)  本日終値
 アドヴァン<7463>が後場大幅高し新値追い。午後1時20分ごろ、集計中の第2四半期累計(4~9月)連結業績について、売上高を従来予想の90億円から93億1600万円(前年同期比13.8%増)へ、営業利益を同21億5000万円から29億2100万円(同37.3%増)へ、純利益を同11億5000万円から17億9900万円(同34.6%増)へ上方修正した。建設需要が底堅く推移しているほか、前期に落ち込んだ新設住宅着工戸数が徐々に持ち直しているなど事業環境が復調していることに加えて、業務の改善と効率化を推し進めたことが奏功したという。

■クラリオン <6796>  406円  +18 円 (+4.6%)  本日終値
 クラリオン<6796>が4連騰。信用買い残は9月18日申し込み現在で大幅に減少、株式需給面の改善が進捗している一方、継続的な実需買いが観測されている。テクニカル的には9月上旬の5日・25日移動平均線のゴールデンクロスを境に上げ足が加速、400円台を回復するとともに、今年2月27日につけた年初来高値405円の更新も目前にしている。北米やアジア向けなどOEMを主力にカー電装品や車載カメラが好調に売り上げを伸ばしており、日立グループ傘下での開発やコスト面の優位性も顕在化しているもよう。16年3月期営業利益は前期比49%増の110億円と大幅増益を見込んでいるが、「足もとの進捗率から達成は十分可能」(国内証券情報部)とみられている。

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