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【市況】後場に注目すべき3つのポイント~TPP交渉の進展が先高感につながる


5日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・TPP交渉の進展が先高感につながる
・ドル・円は120円01銭付近、株高でもリスク選好につながらず
・日産<7201>、トヨタ<7203>、ホンダ<7267>など自動車株が弱含む


■TPP交渉の進展が先高感につながる

日経平均は続伸。216.49円高の17941.62円(出来高概算9億9000万株)で前場の取引を終えた。2日の米国市場で雇用統計の結果はネガティブだったが、NYダウは急落後にプラスに転じており、買い安心感につながった。また、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉で大筋合意に達する見通しと報じられていることも買い材料視されている。シカゴ日経225先物清算値(17870円)を上回って始まった日経平均は、その後18014.77円と18000円を回復する局面をみせている。

25日線が心理的な抵抗となるなかで買い一巡後はこう着感が強まっているが、下値の堅さも意識されており、先高期待が高まっている。セクターでは、鉄鋼、鉱業、卸売、機械、空運、非鉄金属、石油石炭など素材・資源関連を中心に買われている。東証1部の騰落銘柄は、値上がり数が6割を超えている。

米国市場の上昇もあったが、やはりTPP交渉の進展が先高感につながっているとみられる。ただし、TPP最終発表は米国時間5日午前までない見通しであり、25日線レベルを一気に上放れるには、最終発表を見極める必要があるだろう。とはいえ、指数インパクトの大きいところでは、ソフトバンクグ<9984>、ファーストリテ<9983>、ファナック<6954>が揃って強い動きをみせており、下を売り込む流れにはならないだろう。

その為、相対的に出遅れているセクターや銘柄などへの見直しが中心になりやすい。また、TPPなどのテーマ株については、本日は材料が豊富なところでもあり、一先ずTPP関連へ集中し、低位の材料株が中心になりやすいと考えられる。

(株式部長・アナリスト 村瀬智一)


■ドル・円は120円01銭付近、株高でもリスク選好につながらず

ドル・円は120円01銭付近で推移。120円を挟んだ値動きとなった。

前週末のドル・円は、想定外の低調となった米雇用統計を受け、一時118円68銭まで売り込まれたが、米国株の上昇を受け、120円付近に値を戻した。週明け東京市場でも120円付近で推移している。

日経平均株価は前週末比200円超高となっているが、中国や米国経済の先行き不透明感から、ドル・円にリスク選好の動きは観測されていないもよう。

ただ、ランチタイムの日経平均先物は300円超高と堅調地合いとなっている。また、市場参加者の間で、日銀による10月追加緩和の思惑から個人や短期筋などのドル売りは想定しにくいことから、午後の取引でドル・円はやや買いが入りやすいと予想する。

12時26分時点のドル・円は120円01銭、ユーロ・円は134円82銭、ポンド・円は182円64銭、豪ドル・円は84円86銭で推移している。

(為替・債券アナリスト 吉池威)


■後場のチェック銘柄

・ソフトバンクG<9984>、Fリテ<9983>、ファナック<6954>が日経平均を押し上げ
・日産<7201>、トヨタ<7203>、ホンダ<7267>など自動車株が弱含む
・TPP交渉大筋合意報道で関連銘柄が上昇


☆後場の注目スケジュール☆

<国内>
・特になし

<海外>
・特になし

《SY》

 提供:フィスコ

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