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2015年10月05日12時10分

【特集】高橋春樹【ストラテジー】秋の相場観特集_02 /懸念材料払拭で年末までに1万9000円に

高橋春樹氏
三木証券 執行役員・商品本部長 高橋春樹氏

 東京株式市場の大幅下落相場の発端は、8月の中国人民元の突然の切り下げだ。それまでにも、米金利上昇転換への警戒感など不透明感は存在したものの、人民元の切り下げが多くの市場関係者に「中国景気の先行きはかなり悪化するのでは」との印象を与え、極めて高いボラティリティー(価格変動性)をともなった急落相場に陥った。

 中東やアジアの政府系ファンドでは、その運用状態が国家財政に直接影響するだけに、ポジション管理を厳しくしているところも多く、乱高下を嫌って日本株の組み入れ比率を低下させる動きもあるようだ。さらに、フォルクスワーゲンのディーゼル車排ガス規制不正や、スペイン東部のカタルーニャ自治州独立問題も懸念材料となっている。

 ただ、年初来高値から19%も下落した1万7000円割れの水準は、16年3月期の減益の可能性まで織り込んだもので、過剰反応といえる。2008年のリーマンショックと決定的に異なるのは、経営者の企業業績への不安感の程度だ。経営者が頭を抱えていたリーマンショック時に比べ、今回は増益を想定するなどかなり余裕がある。

 ただ、アベノミクススタート以降、株価面では最大のピンチであり、中期上昇トレンドに警戒感が出ていることは確か。今後、米国の利上げ開始、中国景気の先行き懸念の二大懸念材料が、次回のFOMC(米連邦公開市場委員会)や、中国共産党中央委員会第5回全体会議(5中全会)を経過することで徐々に払拭されれば、東京株式市場も下値固めから反転上昇軌道に復帰する可能性が高い。

 今後、日銀の追加的金融緩和や、政府の補正予算などの対策が発動されれば年末までに日経平均株価2万円。もし、それらの対策が打ち出されなくても1万9000円台の回復は想定できそうだ。

<プロフィール>

1977年岡山大学法文学部卒業・第一證券入社。1999年第一證券エクイティ部長兼投資運用部長、2005年三菱UFJ証券エクイティ部長、2011年三木証券投資情報部長。

編集企画:株経通信(株式会社みんかぶ)   【秋の相場観】特集より

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