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【経済】NYの視点:米雇用統計、8月分の大幅上方修正に期待


ラッカー米リッチモンド地区連銀総裁は米ウォールストリートジャーナル紙とのインタビューで、「10月連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げの可能性がある」と述べた。明日発表される9月の雇用統計が米国経済の強さをFOMCメンバーに納得させる可能性があると指摘。FRBの利上げが遅れることに懸念を表明した。ただ、同氏はタカ派として知られており、前回9月のFOMCでは利上げに投じた。

ゴールドマンサックスのエコノミストは米商務省が発表する9月の雇用統計で非農業部門雇用者数は20万人増を小幅上回る水準を予想している。先行指標の中でも雇用が増加するプラス材料として、1.民間部門のADP雇用統計が市場予想を上回ったこと、2.季節的要因で公務員の採用が増加した可能性があることを指摘。雇用を抑制するマイナス材料としては、1.米供給管理協会(ISM)の9月製造業景況指数での雇用が50.5と、3月以来で最低となったこと、2.オンラインでの求人件数が減少したこと、3.チャレンジャー、グレイ・アンド・クリスマス社(CGC)が発表した9月の雇用削減数が58877人と、前年比で93.2%増。年初来でも前年比で35.8%増加したことが指摘されている。

ただ、季節的要因が大きい8月分は大幅に上方修正が期待される。8月の雇用統計は、自動車工場、学校の夏休みに絡んだ季節的調整が多く速報値が予想を下振れ、のちに大幅に上方修正される傾向が強い。ゴールドマンによると2003年以降、5つの業種で8月はその前の3か月間に比べ4万人程度の雇用が減少、その後3.5万人上方修正されていると指摘。本年8月は、この業種間で5.6万人の雇用の減少が速報値で示されたという。8月に雇用が増加した政府関連の雇用を除くと、8.3万人の雇用が減少した。しかし、前年と同様の割合の上方修正が行われると仮定すると、4.5万から7万人の8月分の雇用が上方修正されることになると見られている。8月分の非農業部門雇用の雇用増加数は、予想外に節目となる20万人を割り込んだ。

《NO》

 提供:フィスコ

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