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2015年10月01日16時43分

【特集】ダイナック Research Memo(3):レストラン・バー事業が中核


■会社概要

(2)事業の概況

ダイナック<2675>の事業は「レストラン・バー」「ケータリング」及び「その他」の3つに区分されている。レストラン・バー事業が売上高、利益ともに全体の90%を占め、中核事業となっている。ケータリング事業は、企業などの各種パーティーや社内運動会などのイベント向けに、数名から数千名規模までを対象に、飲食の提供を始め、イベントの企画・設営・運営などを行う事業だ。その他事業にはサマーギフトやおせち料理の販売のほか、「道の駅まくらがの里こが」における売店収入などが含まれている。

主力のレストラン・バー事業は、2つに大別できる。1つは同社自身が手掛ける直営ビジネスであり、もう1つはゴルフ場やリゾート施設などのレストラン施設の運営を請け負う受託ビジネスだ。2015年12月期中間期末(6月末)現在の店舗数内訳は、直営ビジネスが157店舗、受託ビジネスが100店舗、合計257店舗となっている。

a)直営ビジネス
直営ビジネスでは、業態は多岐にわたるいわゆる多業態・多ブランド展開戦略を採用している点がまず特徴として挙げられる。同社がこの戦略を採用するのは、消費者にアピールする「ウリ」がある業態・店舗が好調である一方、総合的、総花的な業態・店舗は低調である、という現実があるためと思われる。消費者の嗜好の変化や流行にも敏感で、常に新業態・新ブランドの企画・開発・運営に余念がない。既存店舗の新業態への業態転換についても積極的だ。

こうしたことが可能であるのは、上場企業として強固な財務基盤を有することと、約160店という多店舗を擁しているためと考えられ、ここに同社の強みがあるということができよう。立地についても、都心部中心の展開という点で特徴的だ。東京においては千代田・港・中央・新宿など、大阪においては梅田周辺などにそれぞれ集中的に出店している。郊外型店舗も各地域の中核都市や拠点駅の周辺などの地域一等地への出店が基本となっている。

店舗にもいくつかの特徴がある。まず、ドリンクの比率が高い店舗・業態が多い。これはサントリーとの関係から言えば当然のことといえる。店舗のコンセプトとして、個人事業主の店舗や大手居酒屋チェーンなどと比較して食事やサービスの質でワンランク上の高付加価値型を追求している。また客層としては、都会のサラリーマンに代表される中間層を主たるターゲットにしている。こうした点が、中心価格帯が3,000円~5,000円という結果に如実に表れている。言うまでもないが、多業態型の特徴を生かし、例えば「響」は客単価が7,000円~10,000と設定し、より高級志向の客や接待需要などの取り込みにも対応している。

直営ビジネスにおいて新業態の開発が積極的に行われていることは前述のとおりだが、近年、その成長が著しい。同社の店舗の中では長らく、「響・燦」「鳥どり」「ザ・ローズ&クラウン」「パパミラノ」が「主力4業態」として収益面での中核を形成してきた。しかしながら近年は、好調を続ける「魚盛」がトップ4の一角に食い込むまでに成長したほか、日本酒を前面に出した「虎連坊」も進境著しい。こうした新しいブランドの成功は、既存ブランドのリニューアルも含めた新たな投資余力を生み出すことにつながり、ポジティブスパイラルを形成していくことになる。

b)受託ビジネス
受託ビジネスは、ゴルフ場レストランを主体に、リゾート施設、文化施設、宗教関連施設など多方面に及んでいる。ゴルフ場レストランの運営受託数は、大手ゴルフ場チェーンなどの特殊なケースを除いたサードパーティの運営受託者として、全国でトップクラスの地位にあるとみられる。

受託ビジネスは収益性や出店コストなどで直営店舗の運営とは違いがある。受託事業では受託者(同社)側は運営だけを行い、施設は委託者(例えばゴルフ場側)が用意する。したがって同社からすれば設備投資負担がないというメリットがある。営業が開始されれば、売上げは受託者側に立ち、受託者は売上げの中から契約で決められたフィーを委託者側に支払う。収益性について直営と受託事業とで、一概に比較するのは難しいが、直営に比べて安定的で投資効率が良いということは可能であろう。受託する場合には入札やコンペがおこなわれることが多いが、同社は豊富な実績と規模のメリットなどを武器に、コンペでの勝率で優位に立っているものと弊社ではみている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

《HN》

 提供:フィスコ

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