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【特集】全国保証 Research Memo(5):審査能力や与信管理に強み、中古・リフォームローン等へも領域拡大


■企業特徴

(2)価値創造の源泉

・データを活用した審査能力や与信管理に優位性
全国保証<7164>における住宅ローン市場のシェア拡大は、各金融機関が同社を活用するメリットの大きさにかかっていると捉えることができる。これまで同社の成長を支えてきたものは、蓄積されたデータやノウハウを活用することで、迅速かつ精度の高い審査能力やリスク・リターンに見合った適正な料率設定などによる精緻な与信管理に優位性を築くとともに、各金融機関に同社を活用することのメリットを訴求してきたことにほかならない。具体的には、住宅ローンにおける信用リスクを外部保証によりコントロールする与信管理上の目的はもちろん、審査や事務負担の軽減、自社審査では対応できなかった案件の取上げ(同社の場合、精緻な与信管理ができるからこその判断が可能)などが挙げられる。特に、住宅ローンは各金融機関にとって優良な資産であるとともに、個人取引の基盤となるものであることから獲得競争が激化しており、同社との提携により競争力の強化にもつながるものと考えられる。

一方、住宅ローンの利用者(債務者)にとっても、迅速な対応や画一的ではない柔軟な審査判断など同社による恩恵は大きく、日本の住宅政策を支える役割においても同社の存在意義は大きい。

・事業領域の拡張にも大きな可能性
同社は、今後の成長戦略の1つとして、中古・リフォームローン市場の強化やカードローン保証業務への参入を掲げているが、これまで蓄積してきた50万人にも及ぶデータや審査ノウハウは、今後の事業展開にも大きな可能性を秘めている。中古・リフォームローン市場やカードローン保証業務は既に競争の厳しい市場であるが、顧客接点やデータの活用において既存事業とのシナジーが発揮できる領域においては、同社にアドバンテージが働く可能性が高いものと考えられる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

《HN》

 提供:フィスコ

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