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【市況】<株式トピックス>=神戸鋼が中国景気減速懸念を“実証”

 29日の東京株式市場は、後場に入って手仕舞い売りが加速、さらに下落幅が広がり一段安の展開を強いられた。中国景気の減速を背景とした世界経済への影響が懸念して、前日の欧米株市場は総じて大幅な下げに見舞われたことで、リスク回避の動きが加速した。日経平均株価終値は、前日比714円27銭安の1万6930円84銭と、終値で約8カ月ぶりに1万7000円台を割り込む急落となった。
 急落したきょうの東京株式市場で、“悪役”演じさせられてしまったのが神戸製鋼所<5406>だ。6276万株の大商いを伴って、終値は前日比16円安の128円と大幅安した。
 28日の取引終了後、16年3月期の連結業績見通しについて、売上高を従来予想の1兆9500億円から1兆9000億円(前期比0.7%増)へ、営業利益を同1250億円から950億円(同20.5%減)へ、純利益を同600億円から250億円(同71.1%減)へとそれぞれ大幅に下方修正した。
 同社では、景気減速の影響が大きい中国を中心に油圧ショベルの需要が想定を下回っていることや、加古川製鉄所における一過性の生産トラブルによる生産量の減少とそれに伴う保全費などのコスト増加、さらにアルミ・銅事業で地金価格の下落に伴い、在庫評価影響の悪化が見込まれることなどが要因としている。(冨田康夫)

出所:株経通信(株式会社みんかぶ)

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