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【特集】フジコー Research Memo(1):森林資源を活用したバイオマス発電事業にも参入し成長を加速


フジコー<2405>は、建設工事現場で発生する木くずやがれき等の産業廃棄物を中心とした各種廃棄物の中間処理(破砕、焼却等)を主力に、白蟻防除及び老朽家屋等の解体工事も手掛ける。また、建設系廃棄物を原料としたバイオマス発電にも注力している。許可品目の多さや多様な廃棄物の取扱い、最新鋭の処理施設と技術の導入などに強みを有する。「住まいと環境を守る」を経営理念に掲げ、害虫駆除から各種廃棄物のリサイクル事業、さらには自然エネルギーへの展開など、創業以来、社会的貢献度の高い事業を手掛けてきた。今後は、これまでの技術やノウハウを生かして、森林資源を活用したバイオマス発電事業(森林発電事業)にも参入し、電力小売事業とともに同社の成長を加速させる計画である。

2015年6月期の業績は、売上高が前期比1.3%増の2,566百万円、営業利益が同3.2%減の343百万円と緩やかな増収ながら減益となった。期初計画との対比でも、売上高で上回ったものの、営業利益では下回る着地であった。ただ、売上高は6期連続の増収を継続しており、森林発電事業への先行費用等により減益となったことを除けば、業績は総じて堅調に推移しているとみていいだろう。主力の建設系リサイクル事業が、受入単価の向上や売電売上の伸長により増収に寄与した。

2016年6月期の業績予想について同社は、売上高が前期比7.5%増の2,760百万円、営業利益が同1.8%増の350百万円と増収増益を見込んでいる。既存事業がおおむね堅調に推移する一方、今期より営業を開始する森林発電事業が業績の伸びに寄与する見通しである。もっとも、森林発電事業の発電施設は計画どおり2016年2月に完成するものの、本格稼働は5月頃を想定しており、本格的な業績貢献は2017年6月期以降となるもようである(今期は2ヶ月間程度の業績寄与となる想定)。

同社の成長戦略の軸となる森林発電事業は、自然エネルギーによるCO2削減や循環型経済社会の構築に向けた貢献はもちろん、地域で発生する木材を燃料として、地元で発電を行い、地元に電力を供給することによる地産地消と雇用創出を実現する先駆的な事業モデルである。したがって、その立ち上がりを見守るとともに、そこから得られる安定的な収益の活用を含め、今後の事業展開にも注目したい。

■Check Point
・各種廃棄物の中間処理が主力
・「廃棄物処分業としてのバイオマス発電」など6つが同社の強み
・16/6期は増収増益を見込む、バイオマス発電施設は来年5月に本格稼動

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

《HN》

 提供:フィスコ

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