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【市況】外部環境の落ち着きを見極め【クロージング】


29日の日経平均は大幅に下落。714.27円安の16930.84円(出来高概算27億9000万株)で取引を終えた。終値で17000円を割り込むのは1月16日以来、約8ヶ月ぶり。28日の米国市場では、8月の中国の工業企業利益が予想以上に下落したことによる素材関連の下落。また、次期大統領選挙活動に入っているヒラリー・クリントンによる「薬価の問題に取り組む」との姿勢を嫌気した薬品株などの弱い値動き等により、NYダウは300ドル超の下落に。シカゴ先物は大阪比330円安の17360円となるなか、東京市場はこれにさや寄せする格好から始まった。

ただし、その後も下げ止まらず、日経平均はじりじりと下げ幅を拡大させた。第一汽<9132>の経営破たんによる心理的な影響のほか、カタールの政府系ファンド(SWF)が独VW株の下落などの影響から7000億円の評価損発生との観測。さらにサウジアラビアは最大約8兆4100億円の資金を資産運用会社から引き揚げた、との報道などもポジション圧縮の流れに向かわせたようである。

東証1部の騰落銘柄は、値下がり数が1800を超える全面安商状だった。買い手控えムードが強く、少ないボリュームで大きく下げている銘柄も多い。そのためイレギュラー的な価格形成にもなっている。外部環境の落ち着きを見極めつつ、底打ちを探る相場展開が意識されよう。

《AK》

 提供:フィスコ

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