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【市況】心理的なボトム形成が意識されやすい水準/ランチタイムコメント


 日経平均は大幅に下落。489.26円安の17155.85円(出来高概算12億8000万株)で前場の取引を終えた。28日の米国市場では、8月の中国の工業企業利益が予想以上に下落したことによる素材関連の下落。また、次期大統領選挙活動に入っているヒラリー・クリントンによる「薬価の問題に取り組む」との姿勢を嫌気した薬品株などの弱い値動き等により、NYダウは300ドル超の下落に。シカゴ先物は大阪比330円安の17360円となるなか、東京市場はこれにさや寄せする格好から始まった。
 ただし、その後も下げ止まらず、日経平均はじりじりと下げ幅を拡大させており、一時17052.06円と17100円を割り込む局面をみせている。東証1部の騰落銘柄は、値下がり数が1700を超えており、全体の9割を超えている。セクターでは33業種全てが下げており、第一汽<9132>の経営破たんを受けて海運が6%を超える下落。中国経済への不安から鉄鋼、卸売が4%を超える下げとなったほか、米薬品株の流れから医薬品の下落率も4%を超えている。

 大阪225先物は一時17050円まで下げ幅を拡大させており、ナイトセッションでつけた直近安値水準まで一気に下げてきている。心理的なボトム形成も意識されやすく、ここからは下げ渋りをみせたいところであろう。もっとも、9割を超える銘柄が下げているほか、今後決算発表が本格化する中、中国経済の鈍化によって下方修正が意識されてきているため、値ごろ感のみでは買いを入れづらいところではある。内需系のほか、先物等に振らされない、新興市場の中小型株などに、短期筋の値幅取り狙いの資金が向かいやすいと考えられる。
 その他、マイナンバーなどのテーマ株などへは押し目買い意欲が強そうだ。さらに、米アップルは28日、スマートフォンの新モデル「iPhone 6s」シリーズの販売が発売後3日間で1300万台を超え、過去最高を更新したと発表。中国の経済減速懸念の中での最高更新により、安心材料に。売り一巡後の押し目買い意欲は強そうだ。(村瀬智一)
《AK》

 提供:フィスコ

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