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【経済】中国で“ロボット革命”進行、人手不足で普及加速へ


中国で“ロボット革命”が進行している。この背景には、若年労働者人口の減少、人件費の急ピッチな上昇などがある。参考消息網などが28日付で伝えた。
製造業が中国で最も盛んな広東省では、特に人件費の高騰に悩まされている。ハイペースな賃金上昇が続くなか、各工場が積極的に産業ロボットを導入するようになった。例えば、深セン市の雷柏科技公司。年率平均15~20%のペースで賃金が上がる現状を憂慮し、5年前から生産ラインの一部を自動化した。いまではABBの産業用ロボット70台あまりを配置し、パソコン用のマウス、キーボードを組み立てている。従業員の数は、2011年ピーク時の3000人超から足元で1000人未満に削減。毎年160万米ドルの人件費が節減できたという。
同じく広東省に生産基地を置くTCLもまた、産業用ロボットを積極的に応用。ハイエンド家電の生産に乗り出している。
政策面の追い風も吹いてきた。広東省政府は生産現場の自動化を奨励する立場。今年3月には、2015~17年にかけて一定規模以上(年商2000万人民元超)の製造業企業1950社に産業用ロボットを導入させると宣言した。産業技術の改造に向けて、向こう3年間で9430億人民元が投じられるとの見方を示している。うち省都の広州市では、20年までに工場生産ラインの作業工程80%が自動化される見通しという。
中国の産業用ロボット需要は、2年連続で世界首位。しかも世界平均の2倍のハイペースで拡大中だ。13年の国内ロボット販売台数は、前年比41%増の3万6500台(世界全体の20.5%)に拡大。14年は55%増の5万7000台(同約25%)に膨らんだ。
ただ、伸び代はまだ大きい。足元の産業用ロボット密度(労働者1万人当たりのロボット稼働数)は、世界平均で62台、米国で152台、韓国で437台に上る一方、中国は30台に過ぎない。中国政府は20年までに「100台」まで引き上げる目標を掲げている。

【亜州IR】

《ZN》

 提供:フィスコ

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