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2015年09月28日07時58分

【経済】フォルクス・ワーゲンの株価下落でトヨタも下落するのは理屈に合わない


今回明らかになった独フォルクス・ワーゲンの不正は、ディーゼル車の環境規制の検査中には検査であることを判断して有害物質を取り除き、通常走行の際には同装置が働かない(もしくは弱い働きとなる)というプログラム搭載されていたという、にわかに信じがたい、悪意に満ちた不正だ。
 これは通常のリコールや燃費のごまかし等とは全くレベルの違う不正であり、フォルクス・ワーゲンのブランドを永遠に毀損するような不正だ。
 この不正が判明したことにより、フォルクス・ワーゲンの株価は既に約3割も暴落している。影響は他の世界中の自動車メーカー・部品メーカーにも及び、日本の自動車メーカーや部品メーカーの株価も大きく下落した。
 しかし、フォルクス・ワーゲンは今回の影響で大きくシェアを落とすことが予想されるため株価が下落することは当然と言えるだろうが、他の自動車メーカーの株価が大きく下落するのは理屈に合わない。
 フォルクス・ワーゲンは直近で販売台数世界一となっており、そのシェアが大きく落ちるとすれば、その他の自動車メーカーはその分のシェアを一定数奪うはずだからである。特にフォルクス・ワーゲンと販売台数世界一を争っており、エコエンジン分野でディーゼルではなくハイブリッドに注力するトヨタ自動車<7203>は最もその恩恵(?)が大きいはずである。
 もしかすると、自動車メーカー全体の株価が下落したのは、株式市場が他の自動車メーカーもフォルクス・ワーゲンのような不正をやっているのではないかという疑念を持ったためかもしれない。しかし、これほどまでに悪意のある、また発覚した時のリスクがあまりにも大きすぎる不正を他の自動車メーカーがこぞってやっているとは思えない。
 ディーゼルに力を入れているとして、連想から大幅に下落したマツダ<7261>にしても同様だ。
 今回のフォルクスワーゲンの株価下落に連れて下落することについて理屈に合うのは、フォルクス・ワーゲンへの部品供給に大きく依存している部品メーカーのみだ(フォルクス・ワーゲンへの部品供給の割合が大きくない部品メーカーは、他の自動車メーカーのシェアが伸びることによってバランスされるだろう)。
 それにしても、フォルクス・ワーゲンと資本業務提携し後にそれを解消したスズキ<7269>が、フォルクス・ワーゲンは技術を公開しないとして不満を表明していたが、今回の事件で「なるほど公開できなかったはずだ」と誰もが深く納得することになった。何事にもきちんとした「理屈」があるものである。
《YU》

 提供:フィスコ

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