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【特集】ダイキアクシス Research Memo(9):水温と大気温との差から得られる温度差エネルギーを活用


■中期経営計画

(2)温度差エネルギー設備/ECO-Tシステム:化石燃料を燃焼しない省エネシステム

省エネについては、電力消費だけでなく、熱エネルギーの利用分を同時に考慮することが望ましい。家庭で使用されるエネルギーの用途別内訳は、給湯が約3分の1、暖房が約4分の1、合わせて6割近い割合を熱エネルギーが占める。数十度温度が違う温水・冷水もしくは温風・冷風を得るために、化石燃料を何百度で燃やすよりも、温度差エネルギーを利用する方が環境に優しい。

河川や海水、下水、地下水などの水温と大気温との差から得られるエネルギーを温度差エネルギーという。温度差エネルギーシステム(ECO-Tシステム)は、熱資源となる井戸水、地中熱、排水・排湯の熱を熱交換器で回収し、ヒートポンプを利用することで給湯、冷暖房、高温水を提供する次世代型省エネルギーシステムになる。下水の場合、下水水温が東京都で真夏が28℃程度、真冬でも18℃を超えており、気温との温度差を利用して、夏は冷水、冬は温水を効率よく製造できる。下水は、日々の生活排水が年間を通して安定的に供給され、地中深く埋設された下水道を通るため、外気温の変動を受けにくい。従来のボイラー・給湯器に比べランニングコスト及びCO2排出量を半減できる。

ダイキアクシス<4245>の温度差エネルギー設備は竣工ベースで、2013年12月末に12件であった。売上高は、2012年12月期が138百万円、2013年12月期が374百万円へと大きく伸びたものの、2014年12月期は、補助金申請の遅延により283百万円に減少した。2015年12月期は364百万円の売上高を予想している。全国の営業部隊が、同事業の営業を兼務する。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)

《HN》

 提供:フィスコ

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