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【特集】テラ Research Memo(2):「樹状細胞ワクチン療法」を中心に再生・細胞医療の研究開発企業


■会社概要

(1)事業概要

テラ<2191>はがん免疫療法の1つである樹状細胞ワクチン療法を中心に、医療機関に対する技術・運用ノウハウの提供、及び再生・細胞医療に関する研究開発を行う企業である。また、事業領域を拡大しており、がんに関わる周辺事業を担う6つの連結子会社を有している。事業セグメントは細胞医療事業、医薬品事業、医療支援事業で構成されており、子会社において医薬品事業、医療支援事業を展開している。各事業セグメントの内容は以下のとおり。

○細胞医療事業
細胞医療事業とは、同社が開発する樹状細胞ワクチン療法を中心とした独自のがん治療技術・ノウハウの提供、細胞培養施設の貸与、特許実施権の許諾及び集患支援サービスとなる。

売上高の大半は、契約した医療機関から樹状細胞ワクチン療法の症例数に応じて得られる技術料や設備貸与料、特許使用料などからなる。医療機関との契約形態には、「基盤提携医療機関」「提携医療機関」「連携医療機関」の3タイプがある。「基盤提携医療機関」とは、同社が細胞培養施設を当該医療機関に設置・貸与し、技術・ノウハウの提供や特許使用の許諾などを行う医療機関になる。「提携医療機関」とは、細胞培養施設を自身で既に整備している医療機関のことで、主に大学病院など大型の医療機関が対象となる。施設の貸与料がかからないため、1症例当たりの売上高は基盤提携医療機関より少なくなる。「連携医療機関」とは、細胞培養施設を持たず、基盤提携医療機関及び提携医療機関と連携して治療を行う医療機関となる。同社が当該医療機関に対してマーケティング、権利使用許諾などを行い、その対価をコンサルティング料として徴収する。樹状細胞の培養を基盤提携医療機関または提携医療機関で行うため、1症例当たりの当該医療機関から得られる売上は、培養を実施した基盤提携医療機関または提携医療機関を通じて徴収することになる。

こうした契約医療機関の数は2015年6月末時点で37ヶ所となっており、北海道から沖縄に至るまでほぼ全エリアに拡大している。また、症例数としては累計で約9,500症例と樹状細胞ワクチン療法では世界でトップクラスの症例実績を積み重ねている。

○医療支援事業
医療支援事業は、細胞加工施設の運営受託・保守管理サービス、並びに消耗品や細胞培養関連装置等の販売を行うバイオメディカ・ソリューション(株)や、イメージングCRO事業を行うタイタン(株)、ゲノム診断支援事業を行う(株)オールジーン、少額短期保険事業を行うテラ少額短期保険(株)など子会社の事業が含まれる。

このうち、オールジーンでは医療機関から委託を受けた患者の遺伝子情報を解析し、患者個人に適した治療の選択のための情報を医療機関に提供するサービスを手掛けていく予定で、がんや遺伝性疾患を中心とした患者に対する個別化医療の実現を目指している。

○医薬品事業
医薬品事業は、膵臓がんに対する薬事承認取得に向け、2014年1月に設立した子会社のテラファーマ(株)が中心となって行う事業となる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HN》

 提供:フィスコ

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