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2015年09月24日16時01分

【特集】テラ Research Memo(1):今期見通しを下方修正も成長ポテンシャルは大きい


テラ<2191>は、がん免疫療法の1つである樹状細胞ワクチン療法を中心に、医療機関に対する技術・運用ノウハウの提供、及び再生・細胞医療に関する研究開発を行う企業である。子会社の設立等により再生医療・細胞医療における周辺領域の事業化にも積極的に取り組んでいる。

8月7日付で発表された2015年12月期第2四半期累計(2015年1月?6月)の連結業績は、売上高が前年同期比5.9%増の1,092百万円、営業損失が229百万円(前年同期は105百万円の損失)となった。売上高は少額短期保険事業が加わったことにより増収となったが、利益面では樹状細胞ワクチンの薬事承認取得に向けた開発費用の増加や、一部連結子会社の立上げ負担増により損失幅が拡大する格好となった。また、樹状細胞ワクチン療法に関しても新規がん抗原の導入により、売上高は増収となったものの、症例数は類似する競合先の増加により想定を下回って推移した。

2015年12月期業績は、売上高が前期比4.3%増の1,945百万円、営業損失が681百万円(前期は293百万円の損失)と期初計画から下方修正した。樹状細胞ワクチン療法の症例数が伸び悩むことに加えて、薬事承認に向けた開発費用が増加することが主因だ。薬事承認に向けてのスケジュールに関しては、当初2015年内の治験届提出と治験開始を目指していたが、試薬製造プロセスの検証作業等に時間が掛かり、治験届提出は2016年にズレ込むことになった。ただ、治験体制の構築は順調に進んでいることから、2016年には次のステップに移行するものと考えられる。

今回、膵臓がんを適用領域として薬事承認取得を目指しており、再生医療等製品として条件付(早期)承認制度を活用する方針だ。このため、治験が順調に進めば2020年頃にも薬事承認が下りるものと予想される。薬事承認されれば患者の自己負担軽減により、樹状細胞ワクチン療法の症例数増加につながるものと予想される。子会社で展開するゲノム診断支援事業や少額短期保険事業などの展開によって、顧客層もがん罹患者から健常人まで拡大することになる。当面は子会社も含めて先行投資期間という位置付けであり、収益面での厳しさが続くとみられるが、中長期的な成長ポテンシャルは大きいと言えよう。

■Check Point
・2020年12月期は売上高150億円が目標
・財務の健全性は維持、一時的な財務状況悪化に注視
・がん抗原の独占実施権、世界トップクラスの臨床実績を有する

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HN》

 提供:フィスコ

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