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2015年09月24日12時04分

【特集】3Dマトリックス Research Memo(3):欧州では今期中に100ヶ所の医療施設へ販売を拡大


■業績動向

(2)主要パイプラインの今後の動向

○吸収性局所止血材(TDM-621)
止血材の動向を地域別に見ると、まず国内においては治験の再申請に向けたPMDA(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)との協議が進んでいる段階にある。適用領域は前回と変わらず、消化器外科領域、心臓血管外科領域、消化器内科領域での承認を目指している。前回との違いを明確にするため、より客観性を示すためには比較対象試験を行うことが想定される。比較対象製品の選定や症例数、止血効果の客観的判断基準などについて、PMDAと協議を行っているものとみられる。当初の予定では当第2四半期中の治験開始を目標としていたが、慎重に協議を進める際には、治験の開始時期が第3四半期にずれ込む可能性もある。

欧州では英国、ドイツでの代理店を通じた販売が開始されており、今後は他の国での代理店契約も進めながら、今期中に100ヶ所の医療施設へ販売を拡大していくことを目標としている。また、販売パートナー候補先として現在、欧米企業3社と交渉を継続しており、臨床実績などを踏まえた製品評価も進展していることから、当第3四半期末での契約締結を想定している。

アジアでは、インドネシアで医療機器の製品登録承認を取得したことで、同国での販売バートナーであるデグシンド社向けに初期ロット分の出荷を予定しており、売上高としては数千万円を見込んでいる。また、マレーシアでも現地代理店と販売に向けた準備を実施しており、当第2四半期から第3四半期にかけて販売が開始される見込みとなっている。その他のASEAN地域(タイ、ベトナム、フィリピン)においては、販売パートナーに決まった韓国・デウン社において、当期中の医療機器製品登録の承認取得を進め、2017年4月期以降の販売開始を予定している。また、オーストラリアについては、CEマークでの医療機器製品登録を現在申請中で、承認審査が進む段階で、現地企業と販売パートナー契約を締結する予定となっている。契約締結時期は当第2四半期から第3四半期になる見通し。

中南米では、第1四半期にコロンビアにて製品登録承認を取得しており、今後は代理店と契約次第、販売を開始する予定となっている。また、チリではほぼ代理店が決まりつつあり、第2四半期から製品販売を開始できる見通しとなっている。また、メキシコでは7月に、ブラジルでは8月にそれぞれ医療機器製品の登録申請を提出しており、今後は販売パートナーの選定を進めていく格好となる。

米国においては、治験開始に向けたFDA(米国食品医薬局)とのプロトコル設定に関する協議を進めている段階で、2016年4月期中の治験開始を予定している。

○粘膜隆起材(TDM-641)
外科的内視鏡手術で用いられる粘膜隆起材に関しては、2015年2月に国内での治験を一時中断しており、現在は製材の最適化に向けた製品改良を進めている段階にある。スリー・ディー・マトリックス<7777>では当第3四半期までに治験の再開を目指している。また、同社は最適化後の粘膜隆起材で欧州でも治験を行い、CEマークの取得を進めてくことを検討している。CEマークの取得時期としては2年後程度が目途となる。

○歯槽骨再建材(TDM-711)
米国での上市を目指している歯槽骨再建材に関しては、当第1四半期より開始した第2段階目の治験が経過観察も含めて完了するのが早くても1年半から2年程度先となる見通し。販売パートナーとの契約も製造販売承認の段階からになると見られる。

○創傷治癒材(TDM-511)
創傷治癒材に関しては、2015年2月に米国のFDAより市販前届(510k)の承認を取得し、販売の許認可を得ている。ただ、同社では他の薬剤とのコンビネーション(抗生物質、抗がん剤、ヒアルロン酸等との混合投与)による治療効果の増大を期待できることから、単材としての販売は計画に加えて、他薬剤とのコンビネーションによる付加価値の高い製品の開発を進めていく方針となっている。

○siRNA核酸医薬用DDS(TDM-812)
国立がん研究センターとの共同プロジェクト「RPN2標的核酸医薬によるトリプルネガティブ乳がん治療」における医師主導型の第1相治験が2015年6月より開始されている。同治験では「がん幹細胞」に特異的に発現するPRN2遺伝子をターゲットとし、その発現を抑制する核酸医薬と、同社の自己組織化ペプチドA6K(TDM-812)をキャリアとするDDSを組み合わせた製剤の安全性評価を行う。症例数は30症例を目標に、経過観察を含めて2017年9月頃までかけて治験を行っていく。

同社はTDM-812の提供を行うが、乳がんにおける核酸医薬による治験は国内でも初の取組みとなり、好結果であれば企業主導型の第2相治験への移行及び、大手製薬企業へライセンスアウトする可能性も出てくるだけに、今後の動向が注目される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HN》

 提供:フィスコ

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