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【特集】【中国の視点】人民元、新通貨政策で10%安の可能性も


新通貨政策の実施に伴い、人民元が対米ドルで10%下落する可能性が高まっている。

中国人民銀行(中央銀行)は8月11日、元の実質切り下げを実施した。これについて、海外メディアは、輸出の減速を食い止めるための手段だとみている。

一方、中国の専門家は、中国当局が日本政府と逆の手法で金融システムなどの改革を進めているとの見方を示した。日本政府は量的緩和や通貨の切り下げを先に実施し、構造改革を最後の段階に置いていると指摘。中国当局は構造改革を先行し、通貨の切り下げなどを最後の段階で実施すると分析した。

また、専門家は、元の切り下げが輸出を刺激するためだとの海外の分析について、元の切り下げが輸出企業の利益率をアップさせることが否定できないと指摘。ただ、これは主な目的ではないと強調した。中国の給与が右肩上がりで上昇している上、人民元の上昇が中国の競争力を弱めていると分析。今回の切り下げが競争力を高めることが主な目的だとみている。

中国の軍事力および世界経済に占める中国経済の割合、人口の多さなどが世界でトップレベルに位置付けているものの、金融の自由度や流動性、法律などはまだ途上国であるとも指摘されている。経済全体の総合的なバランスを整えるため、金融改革や元の一段切り下げが必要になると指摘されている。
《ZN》

 提供:フィスコ

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