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【通貨】欧米為替見通し:米利上げ見送り受け豪ドルは大底脱した可能性


今日の欧米市場は、前週の米利上げ見送りの影響で、長期の米ドル高トレンドに懐疑的な見方が広がるなか、主要通貨の値動きに変化がみられる。特に、豪ドルは対米ドルで大底を打った可能性がある。豪ドル高・米ドル安の相場展開となった場合、ドル・円相場にも何らかの影響を与えるかもしれない


オーストラリアは中国との交易関係が深いことから、中国不安の高まりとともに豪ドル売りが強まり、利上げ観測で買われた米ドルに対し、2009年以来、6年ぶりの安値圏で推移していた。


しかし、9月以降、米利上げに不透明感が広がり始めてからは下げ渋り、足元ではやや値を戻す展開。米商品先物取引委員会(CFTC)が18日に発表したIMM通貨先物の取引で、豪ドルへの米ドル買い越し額が約3カ月ぶり水準に減少したことがわかった。


また、オーストラリア準備銀行(中央銀行)が8月の政策理事会で、従来は一段の通貨安が必要だとしてきた金融政策に対するスタンスを改め、豪ドル安が輸出の助けになるとの見解が示されたことも、豪ドル売りを抑制。さらに、新政権の発足でオーストラリア経済の回復に対する期待感も、相場を底堅くさせている要因とみられる。


豪ドル売りの主要となっていた中国不安は完全に払拭されたわけではなく、予断を許さない状況に変わりはない。ただ、このまま中国経済の減速懸念が強まらなければ、豪ドルが大底を脱し、自律反発に向かうとみる。

【今日の欧米市場の予定】
・23:00  米・8月中古住宅販売件数(予想:550万戸、7月:559万戸)
・02:00  ロックハート米アトランタ連銀総裁講演

《MK》

 提供:フィスコ

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