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【経済】中国:車載用電池市場は日韓勢が席巻、巻き返し狙う中国企業


日韓企業にほぼ席巻されている車載用電池市場で、中国企業が形勢逆転に向けて動き始めた。低コスト・高効率な製品開発を目指して、特にリチウムイオン電池の分野で、各社が事業増強に乗り出している。今年に入って中国上場企業12社が合計600億人民元(約1兆1220億円)のリチウムイオン電池事業向け投資計画を発表した。増産態勢を早期に整えることで、国内シェア巻き返しを図る考えという。証券日報が18日付で伝えた。
中国の動力電池メーカーは、足元で177社上る。しかし自動車向け分野でのプレゼンスは極めて低い。完成車メーカーのサプライヤーとして定着しているのは、比亜迪(BYD:1211/HK)、天津力神、国軒高科、万向潮前などごく少数に限られる。さらに、グローバル展開の完成車メーカーや、合弁完成車メーカーに絞ると、国内の電池供給企業はほぼ皆無に等しい。国内完成車メーカーのほとんどは、エコカー向けの電池を日韓製に依存している。
その理由は、価格と品質だ。北京理工大学電動車両国家工程実験室の林程・副主任によると、中国の車載用電池業界は、玉石混交状態にあり、技術レベルがまちまち。航続距離は200キロに届かず、製造コストも高止まっている。「成長至上主義」の地方政府が企業設立審査を甘くしていることも、低レベル企業の乱立を助長させたという。
さらに中国には、これら企業を存続させる土壌が育まれてきた。地方の農村都市を中心に巨大市場を形成している低速小型EVの存在だ。低速小型EVに採用される動力電池は、鉛酸電池が主力。エネルギー密度は低く、製造コストが安くすむことから、市場の参入ハードルが低い。現存の車載用電池メーカーでは、鉛酸電池の製造を主力とする企業が大部分を占めている。

【亜州IR】

《ZN》

 提供:フィスコ

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