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【特集】C&Gシステムズ Research Memo(5):期ずれが発生する可能性もあるため通期業績の見通しは固め


■決算動向

(2) 2015年12月期の通期見通し

C&Gシステムズ<6633>では今期(2015年12月期)の通期連結業績を、売上高4,100百万円(前期比1.3%増)、営業利益300百万円(同7.7%増)、経常利益320百万円(同5.0%増)、当期純利益270百万円(同13.3%減)と予想しており、これは期初の予想と変わっていない。セグメント別売上高は、CAD/CAMシステム等事業が3,450百万円(同1.2%増)、金型製造事業が650百万円(同1.6%増)と予想している。

上半期の決算が好調であったにもかかわらず同社は通期連結予想を修正せず、見通しを堅めに見ているが、これは記述のように第3四半期に予定されていた金型製造事業の売上高の一部が第2四半期にシフトした反動から、足元の受注動向が低調に推移していること、また、CAD/CAMシステム等事業において、研究開発費用の追加発生が利益を圧迫する可能性があるためである。なお金型製造事業は、受注は比較的早い段階で確定するが、顧客都合により売上計上が期ずれすることが多々あり、今後もこのような動きが継続するものと思われる。また当期純利益が減益となるのは、前期(2014年12月期)が税効果の影響により90百万円の利益(法人税等調整額のマイナス)が反映されており、今期はその影響は軽微となる見込みだ。

事業環境の見通しとしては、国内では引き続き製造業を中心に手堅い受注が期待できるとみている。一方で海外市場では、インドネシアやベトナム・フィリピンで金型の需要が増加傾向にあり、北米でも自動車産業が活況を呈しているものの、中国の成長鈍化、韓国の内需冷え込み、タイの自動車関連(生産・販売・輸出等)の動向が懸念される。

このような環境下、同社では、国内市場においては高い保守更新率の維持・向上による安定した収益を確保し、製品力(機能や精度)の更なる改善によって販売シェアを伸長させる計画だ。一方、海外市場においては日系企業へのフォローを継続すると同時に、アセアン地域ではローカル企業への知名度向上、代理店及びOEM製品を活用して拡販を図る。このような国内外における施策を着実に実行していくことで、上記の予想を達成する予定だ。

また同社の場合、ほぼ毎年スポット的な受注(100~200百万円ほど)が飛び込んでくるが、上記の予想はこのようなスポット受注は見込んでおらず、確実に実現可能な保守的な予想とのことである。このような受注はスポット的とはいえ毎年恒常的に発生しており、今期もある程度は上乗せされる可能性がある。同社の事業では変動費率が低いので、受注(売上高)が増加すれば、その分は即利益増となる傾向にあるため、売上が上乗せされれば、利益も計画を上回る可能性が十分にあると言える。いずれにしろ、現時点での予想はかなり堅めであり、よほどのことがない限りこれを下回ることはなさそうだ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

《YF》

 提供:フィスコ

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