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2015年09月17日16時56分

【特集】きちり Research Memo(4):売上高は過去最高を更新、クラウドサービス契約店舗が急増


■決算動向

(1) 2015年6月期の業績動向

8月7日付で発表されたきちり<3082>の2015年6月期の業績は、売上高が前期比6.6%増の7,371百万円、営業利益が同7.3%減の445百万円、経常利益が同14.8%減の439百万円、当期純利益が同60.7%減の116百万円となった。売上高は過去最高を連続で更新する一方で、利益は2期連続で減益となった。また、期初会社計画に対しては売上高、利益ともに下回って着地した。

当期の新規出店は、2014年10月に「KICHIRI」を3店舗(千葉・柏、東京・北千住、新宿)、2015年4月に長野県とのコラボ事業となるブランド・コンテンツ活用型店舗として「長寿食堂」(JR長野駅ビル内)、4月に「いしがまやハンバーグ」と新業態となるオムライス専門店「3 Little Eggs」を各2店舗(埼玉・ららぽーと富士見、コクーンシティ)出店した。一方、2014年8月に「KICHIRI」(大阪・江坂)を1店舗退店しており、期末時点の出店店舗数は前期末比7店舗増の77店舗となった。期初計画では10店舗の出店を予定していたが、最適な立地場所や家賃などの条件を検討するなかで、翌期にズレ込んだとしている。

なお、新規出店店舗の状況に関しては、新宿エリアで3店舗目となる「KICHIRI MOLLIS 新宿通り」店の立ち上がりにやや苦戦したものの、その他店舗は順調に推移した。とりわけ、埼玉のららぽーと富士見に出店した「いしがまやハンバーグ」と「3 Little Eggs」は、同モール内にある飲食店舗の中で売上の1、2位を占めるなど開店当初から好調な滑り出しとなっている。また、「KICHIRI MOLLIS 新宿通り」店についても足元では客足も増加傾向にあり、収益も黒字転化している。長野県に出店した「長野県 長寿食堂」についても、観光客や地元客などの客足が好調で、当初の目的であった「長野県の食材の魅力と健康長寿のライフスタイルと食文化を広く発信する」という点についても、長野県より高い評価を受けている。一方、既存店舗の売上高については、前期比1%減と当初計画の2%減を若干上回って推移した。

PFS事業については、クラウドサービスの契約店舗数が2014年6月末の約100店舗から2015年6月末は約400店舗へと急増した。200店舗強を展開する居酒屋チェーンとの契約が決まったことが大きい。居酒屋チェーン向けのクラウドサービスは第4四半期からスタートしたため、売上高としての貢献は軽微であったが、その他店舗との契約も順調に伸び始めており、成長ステージに入ってきたと言える。売上高としては約70百万円となった。

営業利益の減益要因は販管費の増加によるもので、販管費率で見ると68.4%と前期比0.8ポイントの上昇となった。この要因としては、新規出店のうち半分となる4店舗が第4四半期に集中し、出店のための経費増を吸収できなかったことや、「KICHIRI MOLLIS 新宿通り」店の収益化に時間がかかったこと、新規事業となるEATLY事業に関するデューデリ費用や米国展開の準備費用などの経費が増加したことが挙げられる。

販管費を項目別で見ると、人件費の増加が目立っている。同社では4年前より新卒採用による正社員の増員に注力してきたため、人手不足によって店舗運営が厳しくなるといった状況にはなっていないものの、人件費率に関しては若干ながら上昇傾向となっている。

なお、当期は特別損失として減損損失を223百万円計上した(前期は14百万円)。賃貸借期間満了に伴う閉店予定の店舗に関する固定資産除却損や、保守的に算出した将来キャッシュ・フローが帳簿価格を下回る店舗において減損損失を計上している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HN》

 提供:フィスコ

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