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【市況】後場に注目すべき3つのポイント~通信株が重石、個別対応での中小型株物色が中心に


 


14日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・通信株が重石、個別対応での中小型株物色が中心に
・ドル・円は120円44銭付近、日銀決定会合で様子見
・電気・ガス、小売など内需セクターが優勢


■通信株が重石、個別対応での中小型株物色が中心に

日経平均は続落。91.08円安の18173.14円(出来高概算8億4000万株)で前場の取引を終えている。週末の米国市場の上昇の流れもあり、反発して始まった。大阪225先物は18230円と、シカゴ日経225先物清算値(18090円)を大きく上回ってのスタートとなった。しかし、ファナック<6954>、ソフトバンクグ<9984>などが下げ幅を拡大させており、その後は下げに転じている。大阪225先物についても寄り付きの18230円を高値に、一時18020円まで下げ幅を広げている。

セクターでは鉱業が5%を超える下落となったほか、情報通信が4%超の下落。その他、石油石炭、非鉄金属、ゴム製品、証券、保険、鉄鋼などが冴えない。一方で、電力ガス、小売、不動産、繊維、陸運、医薬品などがしっかり。規模別指数では大型株指数のみが下落。東証1部の騰落銘柄は、値上がり数が過半数を占めている。

指数インパクトの大きいところでは、KDDI<9433>、ソフトバンクグ<9984>、ファナック<6954>、ファーストリテ<9983>などの下げが重石となっている。プラスインパクトでは、NTTデータ<9613>、日東電<6988>、信越化<4063>、TDK<6762>などが堅調。

ソフトバンクグ<9984>が年初来安値を更新するなど、通信株の弱さが目立つ。米アップルは新機種を手ごろな価格で毎年買い替えられる新たなプログラムを発表。携帯電話各社は顧客の獲得やつなぎ止めへの対応強化を迫られると伝えられており、価格競争激化が警戒されている。また、米ゴールドマン・サックス・グループは原油価格が1バレル20ドルに下落する可能性もあるとの見方を明らかにした。これが鉱業のほか、石油石炭、非鉄金属など資源・素材セクターへの売りにつながっているとみられる。一方で電力ガスのほか、小売、不動産の底堅さが意識されており、日銀の金融政策決定会合に対する思惑などが根強いようである。

一方で、通信株などが重石となる格好から日経平均は冴えない展開となろうが、中小型株などはしっかり。ジャスダック平均、マザーズ指数などは小幅ながらもプラス圏で推移している。日経平均は5日線での攻防となるものの、一目均衡表では転換線が支持線として機能しているほか、ボリンジャーバンドでは-1σと中心値(25日)とのレンジ内で推移している。先週半ば以降の水準でのこう着であり、日経平均を睨みつつ、個別対応での中小型株物色が中心になりそうだ。

(株式部長・アナリスト 村瀬智一)


■ドル・円は120円44銭付近、日銀決定会合で様子見

ドル・円は120円44銭付近で推移。今日と明日開催の日銀金融政策決定会合での金融政策発表を控え、積極的には動きにくい展開。

朝方の取引で、ドル・円は国内勢の買いで120円84銭まで上昇した。しかし、日経平均株価が高寄りしたもののマイナス圏に転落したことから、ドル・円は下落。前場はマイナス圏で引けたことから、ドル・円は昼にかけて120円41銭まで売られ、足元も安値圏で推移している。

ランチタイムの日経平均先物が200円近く下げていることから、ドル・円は午後も軟調地合いが予想される。一方、上海総合指数も弱含んでいるため、目先はリスク回避の動きとなり、ユーロ選好の展開となる可能性がある。

日銀は今日と明日、金融政策決定会合を開催。市場では、現行の金融政策維持が予想されているが、一部で追加緩和が意識されていることから、積極的には動きにくい状況。

12時21分時点のドル・円は120円44銭、ユーロ・円は136円65銭、ポンド・円は186円03銭、豪ドル・円は85円48銭で推移している。

(為替・債券アナリスト 吉池威)


■後場のチェック銘柄

・前場はKDDI<9433>、ソフトバンクG<9984>で日経平均を約84円押し下げ
・電気・ガス、小売など内需セクターが優勢
・一部投資判断格上げで海運株に期待


☆後場の注目スケジュール☆

<国内>
・日銀金融政策決定会合(15日まで)
・13:30 7月鉱工業生産確報(速報値:前月比-0.6%)
・13:30 7月第3次産業活動指数(前月比予想:+0.2%、6月:+0.3%)

<海外>
・特になし

《SY》

 提供:フィスコ

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