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【市況】通信株が重石、個別対応での中小型株物色が中心に/ランチタイムコメント


 日経平均は続落。91.08円安の18173.14円(出来高概算8億4000万株)で前場の取引を終えている。週末の米国市場の上昇の流れもあり、反発して始まった。大阪225先物は18230円と、シカゴ日経225先物清算値(18090円)を大きく上回ってのスタートとなった。しかし、ファナック<6954>、ソフトバンクグ<9984>などが下げ幅を拡大させており、その後は下げに転じている。大阪225先物についても寄り付きの18230円を高値に、一時18020円まで下げ幅を広げている。
 セクターでは鉱業が5%を超える下落となったほか、情報通信が4%超の下落。その他、石油石炭、非鉄金属、ゴム製品、証券、保険、鉄鋼などが冴えない。一方で、電力ガス、小売、不動産、繊維、陸運、医薬品などがしっかり。規模別指数では大型株指数のみが下落。東証1部の騰落銘柄は、値上がり数が過半数を占めている。
 指数インパクトの大きいところでは、KDDI<9433>、ソフトバンクグ<9984>、ファナック<6954>、ファーストリテ<9983>などの下げが重石となっている。プラスインパクトでは、NTTデータ<9613>、日東電<6988>、信越化<4063>、TDK<6762>などが堅調。

 ソフトバンクグ<9984>が年初来安値を更新するなど、通信株の弱さが目立つ。米アップルは新機種を手ごろな価格で毎年買い替えられる新たなプログラムを発表。携帯電話各社は顧客の獲得やつなぎ止めへの対応強化を迫られると伝えられており、価格競争激化が警戒されている。また、米ゴールドマン・サックス・グループは原油価格が1バレル20ドルに下落する可能性もあるとの見方を明らかにした。これが鉱業のほか、石油石炭、非鉄金属など資源・素材セクターへの売りにつながっているとみられる。一方で電力ガスのほか、小売、不動産の底堅さが意識されており、日銀の金融政策決定会合に対する思惑などが根強いようである。
 一方で、通信株などが重石となる格好から日経平均は冴えない展開となろうが、中小型株などはしっかり。ジャスダック平均、マザーズ指数などは小幅ながらもプラス圏で推移している。日経平均は5日線での攻防となるものの、一目均衡表では転換線が支持線として機能しているほか、ボリンジャーバンドでは-1σと中心値(25日)とのレンジ内で推移している。先週半ば以降の水準でのこう着であり、日経平均を睨みつつ、個別対応での中小型株物色が中心になりそうだ。(村瀬智一)
《AK》

 提供:フィスコ

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