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【市況】【杉村富生の短期相場観測】


「今後は高値波乱の展開に!」

●「買い手不在」を突いた投機筋

 9月9日の日経平均株価は1343円高と急騰したが、安心はできないと思う。これは売り方の買い戻しである。今後は高値波乱の展開となろう。

 日本の株式市場は先物に振り回されている。当局の規制が甘いのか、投機筋はやりたい放題である。これは株価操縦ではないか。

 外国人の委託売買代金シェアは6~7割に達する。そこが週間1兆円を超える売りを浴びせている。8月第4週は現物を7070億円、先物と合わせて合計1兆8503億円売り越した。メチャクチャである。

 ハイ・フリークエンシー&アルゴリズム取引を駆使した猛烈な売りを国内勢は吸収できない。ただ眺めているだけ。しかし、株価は容赦なく下がる。個人・信用(買い)は追い証が発生、投げを余儀なくされる。理不尽? その通りだろう。

 機関投資家は持ち株を守るために、ポートフォリオ・インシュアランス(保険つなぎ)を発動せざるを得ない。当然、買い手不在の状況に陥る。そこを投機筋に突かれる。

 いや、みんな売りになる。なにしろ、カラ売り比率は連日40%を超えている。9月4日は41.6%(史上最高)だった。東証1部の売買代金の4割強がカラ売り(貸し株を含む)というのは異常である。借りた株券を何度も売っている。

●外部環境は好転、ファンダメンタルズには変化なし!

 日経平均株価は8月26日のザラバ安値(1万7714円)を下回っている。テクニカル的には今年の大発会の初値1万7325円、1月16日の安値1万6592円などを意識しているのではないか。

 しかし、外部環境、およびファンダメンタルズが急に悪化したわけではない。中国の株式市場は落ち着いている。9月8日の欧米市場は軒並み高である。9月8日のNYダウは390ドル高だった。VIX(恐怖)指数は8月24日に、53.29ポイントまで悪化したが、9月8日時点では24.90ポイントにとどまっている。

 為替は8月25日に、1ドル=116円18銭の円高があったが、現在は119~120円前後である。

 いずれにせよ、9月8日のように、433円安の1万7427円と、大きく売り込む理由はない。これは間違いなく投機筋の暗躍によるものだろう。

 だが、PER12倍、PBR1.2倍(東証1部)の水準を売り込むのは無理がある。配当利回り3%超の双日 <2768> 、みずほFG <8411> は黙って買っておくに限る。

2015年9月9日 記

株探ニュース

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