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【注目】有賀泰夫の有望株リサーチ


●アリアケ <2815>

―日本の加工食品、外食、中食の味を牛耳る―

 まだまだ混乱が収まったわけではありませんが、当初に比較すると銘柄を物色しようというムードはかなり出てきました。しかし、それまで上がっていたかどうかは関係なく、業績悪化の話には敏感です。持っている人が売ると、今の状況では買う人がいません。そこで、ずるずると下げる傾向があります。

 そのため、改めて業績というものが重要になってきます。しかし、ここで肝心なことは今、業績が良くても、世界景気が悪くなると悪化してしまうようでは困ります。そこで、景気が悪くなっても業績が悪くならないような会社を選んでおくことが重要でしょう。もちろん、逆に景気が悪くならなければ、業績悪化の可能性で売られているそれらの銘柄は、大きく戻るかもしれません。どちらに乗るかは好みの問題ですが、このコラムでは景気の悪化に関係ない方を好んでいます。

 さて、今回の銘柄はアリアケジャパンです。同社は調味料メーカーですが、ある面、日本の加工食品、外食、中食の味を牛耳っている会社と言えます。さらに、調味料の会社でありながら営業利益率が15.3%(2015年3月期連結ベース)と極めて高水準にある会社です。

 同社は1990年代から2000年代初旬の10年以上にわたって、成熟と言われる国内食品市場において年率10%を上回る利益成長と営業利益率20%以上という高収益を達成した会社です。その後、2000年代後半に停滞期を迎え、そして今、海外を舞台に再び躍進の時代を迎えています。

 食品メーカーはディフェンシブですが、海外ウエイトが高まる局面では成長株として評価されます。それゆえ、景気に対する懸念がある今のような時期には、海外ウエイトの高い食品株のPERは高水準となるのですがいくら高くてもいいというものではありません。その点、同社のPERは妥当な範囲ですので、今のような局面では最適な株の一つではないでしょうか。

(9月11日 記)

有賀泰夫(ありがやすお)
H&Lリサーチ代表。新日本証券(現みずほ証券)に入社後、アナリストとしてクレディ・リヨネ証券に転職。現三菱UFJモルガンスタンレー証券を経て、09年4月に独立して、H&Lリサーチを設立。ファンド向けアドバイスなどを行う。日本証券アナリスト協会検定会員。

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