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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「目先反転だが、あくまでもアヤ戻し」


◆天候も相場も大荒れの日本。そんな中で「郵政3社」の上場(11月4日)が承認された。この上場で復興予算を捻出するというが、心身ともにダメージを受けている投資家に、いまそれを受けるほどの余裕はあるのだろうか。

◆9月9日に日経平均株価は歴代6位となる1343円高を演じた。マスコミもそれを大きく伝え、強気に傾いた投資家は少なくない。だが、日経平均はその前に大きく崩れていたほか、翌10日も一時814円下げるなど地合いは不穏で、大幅高を手放しでは喜べない。メジャーSQ接近に伴う先物の期先へのポジション移行(期先へ乗り換えるための売り買い)が、この乱高下の一時的要因だった可能性は否めない。

◆目先的にはテクニカルに底打ち信号が出たほか、チャートは週足「雲」に抵触して反転、日足が上値抵抗線を上抜くなど「好転信号」を見せたことで、1万9000円台を目指してもおかしくない。だが、この上昇も「崩れたあとのアヤ戻し」で、あくまでもリバウンドとして見ておく必要があるだろう。

◆そして今週(9月第3週)は、日米で日銀政策決定会合とFOMCという重要イベントがある。カギを握る上海株NYダウの日足チャートは「陰転」したままで、右肩下がりのトレンドが続く。当局はこの下げ基調を転換させるような「策」を講じてくるだろうか。そこが今週の注目ポイント。日銀は「郵政」の上場を成功させるためにも少なくとも「口先介入」はしてこよう。その時にマーケットがどう反応するのかも注目だ。いずれにせよ、ボラティリティ(変動率)の高止まりで、まだしばらく乱高下することは覚悟しておきたい。

(9月10日 記、毎週土曜日9時に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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