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【通貨】欧米為替見通し:FOMC・日銀決定会合控えユーロ選好の展開か


今日の欧米市場では、ユーロ選好の展開となりそうだ。来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え利上げについて見方が分かれていることから、ドルに対する積極的なポジション取りは回避されよう。また、日銀金融政策決定会合で追加緩和が一部で意識されているなか、金融政策が読み難いドルを回避しユーロを選別する動きが見られそうだ。

16-17日に開かれるFOMCで、米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げに踏み切るとの市場コンセンサスは五分五分とみられる。足元では、4日に発表された米雇用統計が再評価され、インフレ加速を伴わない失業率の下限を下回っている可能性があるとの見方や、賃金上昇によってインフレ率は2%程度まで上昇していくとの見通しが広がっている。

一方、14-15日に開かれる日銀の金融政策決定会合で、市場は現行の金融政策の維持を予想している。しかし、自民党の山本幸三衆院議員が10日午後、日銀の追加緩和の必要性に言及したことを受け、円が売られやすい展開となった。山本氏の日銀への影響力は決して大きくないが、このところ日経平均株価の乱高下が続いていたタイミングでの発言となったことから、同氏の発言は現実味を帯びて市場に伝わった。日銀が追加緩和に踏み切ればドル買い・円売りとなるが、警戒感によりドルよりも避難通貨のユーロに資金が流入しやすいとみられる。

ユーロに関しては、欧州中央銀行(ECB)定例理事会が3日、ユーロ圏経済の弱さを背景に量的緩和(QE)継続の意向を示した。今後利上げに踏み切るような環境にはないことから売りが強まると思われたが、ドルの先行きが読み難くなるにつれて政策が明確なユーロは存在感を増す格好に。米金利引上げの有無を見極めるまでドル買いは手控えられ、消去法的なユーロ買いが続くと想定する。


【今日の欧米市場の予定】

・21:30 米・生産者物価指数(8月) 予想:前年比-0.9%、前回:-0.8%
・23:00 米・ミシガン大学消費者信頼感指数速報値(9月) 予想:91.1、前回:91.9
・03:00 米・財政収支(8月) 予想:-810億ドル、前年同月:-1287億ドル
・欧州連合(EU)非公式財務相理事会(12日まで)

《SY》

 提供:フィスコ

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