【市況】後場に注目すべき3つのポイント~コア銘柄は一段安よりもアク抜けからの自律反発を意識
11日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
・コア銘柄は一段安よりもアク抜けからの自律反発を意識
・ドル・円は120円80銭付近、様子見ムードでもみあい
・半導体部品、半導体製造装置などを中心に中国関連銘柄が下げる
■コア銘柄は一段安よりもアク抜けからの自律反発を意識
日経平均は小幅下落。9.94円安の18289.68円(出来高概算18億1000万株)で前場の取引を終えている。先物・オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)となるなか、SQ試算値は18119.49円だった。SQに絡んだ売買は買い越しと観測されていたが、ファーストリテ<9983>など大型株の一部にまとまった売りが出ていた影響から、SQ値は下で始まった。結果的には日経平均は寄り付き直後に18124.35円まで下げ幅を拡大させたが、SQ値がサポートとして機能した格好。その後は下げ幅を縮め、前日終値を挟んでのこう着をみせている。
東証1部の騰落銘柄は、値上がり数が1200を超えており、全体の6割を占めている。規模別指数では大型株指数のみマイナスであり、一方で小型株指数の強さが目立つ。セクターでは、不動産、小売、その他金融、証券、サービス、銀行などが堅調。半面、石油石炭、海運、保険、電力ガス、輸送用機器、電気機器などが小安い。
SQが通過し、市場の関心は週末控えている中国の鉱工業生産指数、小売売上高、固定資産投資の指標発表、来週の連邦公開市場委員会(FOMC)に移る。中国については弱い結果は想定内であり、一方で追加の金融緩和策への期待が根強い。米国については、9月利上げ再開を織り込む流れから、アク抜けを意識したスタンスになろう。
コア銘柄についてはこれらを見極めたいとする流れから手掛けづらさはあるだろうが、ファナック<6954>などをみても、既に3ヶ月間の調整で年初来安値を更新している状況である。一段安というよりは、アク抜けからの自律反発を意識しておきたい。
(株式部長・アナリスト 村瀬智一)
■ドル・円は120円80銭付近、様子見ムードでもみあい
ドル・円は120円80銭付近で推移。来週の日銀金融政策決定会合や米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、積極的には動きにくい展開。
ドル・円は前日海外市場で121円33銭まで上昇したが、今日の東京市場朝方まで調整の売りが続いた。東京市場では朝方に国内勢によるドル買いが観測された。その後、日経平均株価が前日終値を上回る場面で、ドル・円は120円半ばから一時120円97銭まで上昇した。
ただ、日経平均がその後マイナス圏で推移したほか、上海総合指数が小幅安となったことから、ドル買い・円売りにはつながりにくいもよう。
ランチタイムでは日経平均先物が小幅ながらプラス圏に浮上していることから、ドル・円はやや買いが入りやすい展開となろう。
12時23分時点のドル・円は120円80銭、ユーロ・円は136円31銭、ポンド・円は186円59銭、豪ドル・円は85円36銭で推移している。
(為替・債券アナリスト 吉池威)
■後場のチェック銘柄
・前場はファナック<6954>、京セラ<6971>、日東電<6988>で日経平均を約49円押し下げ
・半導体部品、半導体製造装置などを中心に中国関連銘柄が下げる
・豪雨対策関連として建設株以外にも物色
☆後場の注目スケジュール☆
<国内>
・特になし
<海外>
・特になし
《SY》
提供:フィスコ