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【特集】あらた Research Memo(6):計画を上回る進捗率に通期予想の上方修正も


■今後の見通し

(1) 2016年3月期見通し

あらた<2733>の2016年3月期の連結業績は売上高が前期比0.7%増の643,000百万円、営業利益が同72.6%増の4,250百万円、経常利益が同74.2%増の4,300百万円、当期純利益が同68.9%増の1,900百万円と期初計画を据え置いている。ただ、第2四半期累計業績については、第1四半期業績が想定を上回ったことから、営業利益を1,700百万円から2,200百万円、経常利益を1,800百万円から2,300百万円、四半期純利益を870百万円から1,150百万円にそれぞれ上方修正した。

7~8月の売上状況について見ると、引き続き基調は変わっておらず計画をやや上回るペースで推移している模様だ。9月の状況次第では第2四半期累計業績のもう一段の上方修正が期待される。通期業績については第3四半期以降の見通しがまだ不透明なことから、期初計画を据え置いているが、第1四半期の通期計画に対する進捗率で見れば、売上高が26.3%、営業利益が35.9%と過去平均から見てもやや上回る進捗となっており、市場環境に大きな変化がなければ上方修正される可能性が高いと弊社ではみている。

同社では収益性向上施策として、売上総利益率の改善、間接部門の集約化や物流費低減などによる経費率の抑制、受託物流事業の収益改善などに引き続き取り組んでいる。このうち売上総利益率の改善では、顧客ごとの採算管理を徹底していく。具体的には、顧客ごとに商品別の粗利益率を管理し、営業費用などを「見える化」することによって不採算もしくは収益性に課題がある取引に関しては、顧客に定量的なデータを提示しながら取引条件の調整を進めている。今後は、顧客別物流費の「見える化」にも取り組み、より精度の高い収益管理体制を構築していくことで、利益率の改善を進めていく方針だ。また、自社企画開発のPB商品「アドグッド」の売上拡大も総利益率の向上に寄与するものとみられる。同社では日用品や雑貨品など幅広いカテゴリーで320アイテムを開発していく計画で、売上高は前期比2.3倍増となる6,000百万円と大幅増収を見込んでいる。

また、物流費の低減では2015年3月より東北エリアの主力物流拠点として新たに稼働した北上センター(岩手県)が順調に立ち上がっており、今後周辺の物流センターなどの集約化を進めていくことで、同エリアでの物流コスト低減を進めていく。さらに、前期まで収益の足かせ要因となっていた受託物流事業も取引条件の見直し等により、当第1四半期より収益貢献し始めており、今後も安定した収益が見込まれている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《RT》

 提供:フィスコ

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