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2015年09月10日07時30分

【経済】NYの視点:FRBは利上げに関する外部圧力に直面も、JOLTは利上げ示唆


国際通貨基金(IMF)に続き世界銀行のチーフエコノミストは米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げをした場合、新興国がパニックや混乱に陥ると警告した。サマーズ元米財務長官やポールクルーグマンといった学識者もFRBに利上げを遅らせるよう警告している。

FRBが9月の利上げに関し大きな外部圧力に直面。そんな中、米国労働省が発表した7月のJOLT求人件数は575.3万件と、市場予想の530万件を上回り2000年に統計開始以降最高を記録した。前月からの増加幅も43万件と、2010年4月以降で最大。イエレンFRB議長が好んで使用している同指標は、労働市場にあるスラック、たるみ具合がさらに解消したことを示し、速やかな利上げを正当化した。

しかし、良好な内容ばかりではない。イエレンFRB議長のダッシュボードの中の3分の2は依然、危機前の水準に戻していない。また、長期の失業率が逆に上昇したことは懸念材料となる。8月雇用統計によると15週以上失業している失業者は全体の43.5%と、7月41.5%、前年同月の40.7%から上昇。バーナンキ前米連邦準備制度理事会(FRB)議長は40%以上の長期失業率は「異常事態」として最も懸念する材料として挙げていた。求人件数は増加しているものの低賃金の職種に限定される。7月の採用率(Hires rate)も3.5%で6月3.7%から低下。採用者数498.3万人は昨年8月来で最低となり、賃金が当面低水準で推移する可能性を示唆している。退職者数も269.5万人と昨年11月以来で最低となっている。退職者数の増加は労働者の雇用市場への自信を示すため、イエレンFRB議長が注目している項目のひとつ。

ただ、イエレンFRB議長が最も重要視している1求人に対する失業者の割合は1.4と、ピークの6.9から大幅に改善している。外部圧力が強まっている中、経済指標次第としている連邦公開市場委員会(FOMC)は利上げをせざるを得ない状況に直面した。

■イエレンFRB議長の雇用たるみダッシュボード

◎危機前に比べ状態が改善 危機前の水準と比較
7月解雇率(Layoffs/discharges rate):1.1%(6月1.3%) 1.4%(下回る)
8月雇用者数(Nonfirm payrolls):17.3万人(7月24.5万人) 16.18万人(上回る)
7月求人率(Job openings rate):3.9%(6月3.6%) 3%(上回る)

◎状態が危機前より依然悪い
8月失業率(Unemploynent rate):5.1% 5%(上回る)
7月退職率(Quits rate):1.9%(6月1.9%) 2.1%(下回る)  
8月広義の失業率(U-6):10.3%(7月10.4%) 8.8%(上回る)
7月採用率(Hires rate):3.5%(6月3.7%) 3.8%(下回る)
8月長期失業率:43.5%(15週以上、7月41.5%、前年同月40.7) 19.1%(上回る)
8月労働参加率:62.6%(7月62.6) 66.1%(下回る)

《NO》

 提供:フィスコ

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