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【市況】<株式トピックス>=1343円高は強烈な“自律反発”か

 9日の東京株式市場は、朝高後も水準を順次切り上げ、後場終盤に一気に上昇が加速した。日経平均株価終値は、前日比1343円43銭高の1万8770円51銭と急反騰した。上げ幅は1994年1月31日の1471円以来21年7カ月ぶりの大きさとなった。
 それにしても、日経平均株価の1343円高(7.71%)の上昇は異常事態といえる。特に今回は過去2回の“黒田バズーカ”のような異次元の金融緩和政策の発動があったわけではない。
 前日の中国・上海総合指数の反発や欧州、米国株式の上昇は確かに買い支援材料とはなったが、既に8日の東京株式市場では、現物株の取引が終了した直後から、外国為替市場での円安・ドル高の進行を買い手掛かりに、株価指数先物は大幅上昇のスタートを切っていた。
 市場関係者からは「今月に入って日経平均株価が下げ歩調を強めるなか、日本取引所が集計・発表している空売り比率(売買代金に占める比率)が連日40%を超える異例の高水準となっていた」との指摘がある。
 大きく膨らんでいた空売りのバブルが破裂して、利益確定を急ぐ買い戻しがさらに買い戻しを呼ぶ展開となり、スパイラル的に上昇が加速したようだ。きょうの後場後半には、空売りをしている投資家の一部から損失覚悟の売り(踏み上げ)も発生したようだ。
 その意味では、今回の急騰は、株価水準が下落し過ぎたという要因と、空売りが膨らみ過ぎたという事態の2つの条件が揃ったうえでの強烈な“自律反発”といえなくもない。

出所:株経通信(株式会社みんかぶ)

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