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2015年09月09日16時04分

【特集】クイック Research Memo(4):足もとは予想をやや上回る推移、今期は6期連続の増収増益へ


■業績動向

(1) 2015年3月期

クイック<4318>の売上高は2012年3月期以来、4年連続で2ケタ増加しており、それに応じて収益力も年々向上している。5年連続の増収増益、営業利益をはじめ経常利益、純利益でも過去最高益を更新という結果となった。日本銀行の追加金融緩和や政府による経済対策等の効果もあり、雇用と所得環境が改善するなか、業績回復に伴う企業の採用意欲が高まったことで、幅広い業種で人材を確保する動きが強まるなど事業環境が改善。すべてのセグメントで増収を記録した。リクルーティング事業こそ人材補強で減益となったものの、その他の事業の大幅な増益でカバーした。

(2) 2016年3月期の第1四半期と通期予想

2016年3月期の第1四半期は、売上高が前年同期比5.0%増の3,473百万円、営業利益が同0.1%増の981百万円、経常利益が同4.6%減の991百万円、四半期純利益が同3.2%減の641百万円となった。増収率と比較して利益の伸びが低いのは、人材登録のための広告宣伝費を増額させたことに加え、新卒採用等の人員強化により経費面が拡大したため。

現状、36期のスタートについては、当初計画に対して、こうした経費の拡大を吸収して、やや計画を上回る推移と言える。同社においては専門性の高い人材の紹介比率も比較的高く、手数料も厚めになってきている。

セグメント別ではリクルーティング事業が売上高で前年同期比14.9%増の665百万円、営業利益で同24.1%増の156百万円、人材サービス事業が売上高で同3.8%増の2,199百万円、営業利益で同0.7%増の953百万円、情報出版事業が売上高で同1.7%減の393百万円、営業損益で13百万円の赤字(前年同期は1百万円の赤字)、その他事業が売上高で同2.2%増の213百万円、営業利益で同34.0%減の16百万円となった。

リクルーティング事業では、企業の採用意欲の高まりを受け、正社員、アルバイト・パート、派遣スタッフ等の雇用形態に関わらず、中途採用領域全般において求人広告の取り扱いが拡大した。また、大学生向け新卒採用商品において、採用活動の開始が3月へと遅れたことから4月以降も採用広告の取り扱いが順調に推移している。採用サイトの作成や採用業務の受託など付帯サービスの取り扱いも増加した。

人材サービス事業では、企業の設備投資マインドの改善や東京オリンピック開催等による建築・土木分野及び製造分野等での採用ニーズの高まりを受け、一般企業を対象とした人材紹介は想定よりも順調に推移している。病院や介護施設等の医療機関を対象とした看護師紹介も堅調だ。一方、競合企業との登録者獲得競争に向けたプロモーション強化や人員増によって費用も増加しているが、こちらは期初想定通りの消化となっており、トータル損益で予想を上回る推移となっているようだ。

情報出版事業は減収赤字幅拡大となったものの、主力の生活情報誌で石川エリアの求人広告の取り扱いが拡大し、住宅広告の取り扱いもゴールデンウィーク期間中のイベント告知ニーズ等で石川・富山両エリアが伸長した。また、新潟エリアにおける生活情報誌のタブロイド版化については、掲載件数も拡大傾向にある。さらに、折り込みチラシ等の戸別配布業務も増収となった。

その他事業では、海外事業における新規顧客開拓がやや遅れている。ただし、ネット関連事業において人事・労務に関する情報ポータルサイト「日本の人事部」の広告収入が順調に拡大したことに加え、5月に開催した日本の人事部「HRカンファレンス2015-春-」が売上高、参加者数ともに過去最高を更新したことが寄与している。

2016年3月通期の業績予想は売上高で前期比8.2%増の12,200百万円、営業利益で同23.6%増の1,710百万円、経常利益で同16.6%増の1,730百万円、当期純利益で同16.8%増の1,155百万円と高成長の持続が予想されている。競合他社との競争は激化するものの、アベノミクスや原油安を背景とした国内景気の回復持続が予想されることから、人材市場も堅調に推移すると見込まれている。

(執筆:フィスコアナリスト)

《RT》

 提供:フィスコ

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