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【市況】後場に注目すべき3つのポイント~休暇明けの海外勢には割安感が強く映るか


9日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・休暇明けの海外勢には割安感が強く映るか
・ドル・円は120円35銭付近、日経平均の上昇受けドル堅調
・日経平均構成銘柄のうち東芝<6502>のみ下落


■休暇明けの海外勢には割安感が強く映るか

日経平均は大幅に反発。988.12円高の18415.20円(出来高概算12億9000万株)で前場の取引を終えた。レイバーデーの祝日明けの米国市場では、NYダウが390ドル高となった。中国・上海指数が5日ぶりに反発となったほか、これを受けて欧州市場が軒並み上昇したことが好感された。ギャップ・アップで17700円を回復して始まると、その後も上げ幅を広げ、節目の18000円を回復。さらに上海が上昇して始まったことが買い安心感にもつながり、ショートカバーも交える格好から更に上げ幅を拡大させている。

東証1部の騰落銘柄は、値上がり数が1800を超えており、全体の98%を占めている。規模別指数では大型、中型、小型株指数ともに大幅に上昇しており、大型、中型株指数の上昇率は4%を超えている。日経平均構成銘柄では、ファーストリテ<9983>、KDDI<9433>、ファナック<6954>、京セラ<6971>、ソフトバンクグ<9984>などがけん引。一方で、東芝<6502>のみがマイナスだった。

都内で開かれたメリルリンチ日本証券のセミナー向けに出した、安倍首相のメッセージが関係者の話題となっている。メッセージでは、「今こそ日本に投資すべき時だ」「日本を成長が持続できる国に変えるのが私の仕事」「目標を達成するために経済を最優先課題として、確実に一歩ずつ前進を続けていく」とした。また、TPP交渉について「あと1回の閣僚級会合を開けば懸案事項の合意が可能な段階」との認識を示したようである。欧米市場の上昇に加えて政策期待が高まる中、現在のボトム水準からの自律反発を意識した資金が集中した格好。また、レイバーデーの祝日明けで海外勢の参加者が増えるなか、足元での大幅な下げによって、割安感なども意識されている。

日経平均は直近で3000円程度下げており、感覚的には3分の1戻しといったところ。自律反発の域ではあるが、ボリンジャーバンドではバンドが収れんしていた8月半ば以来の-1σを上回ってきている。18000円辺りでの踏ん張りをみせて支持線に変えてくるようなら、もう一段のリバウンドが意識されやすい。9月の米利上げを織り込む流れから、次第にアク抜けへの思惑、そして自律反発狙いといった流れの中、押し目買い意欲も強まってきそうだ。

(株式部長・アナリスト 村瀬智一)


■ドル・円は120円35銭付近、日経平均の上昇受けドル堅調

ドル・円は120円35銭付近で推移。ドル・円は堅調に推移し、119円後半から120円半ばまで上昇した。日経平均の強含みを受けた値動き。

ドル・円は朝方119円81銭をつけた後、欧米株高を受け国内勢がドル買いを進めた。また、前日大幅安だった日経平均株価が今日は寄り付きから大きく買われ、ドル・円は一時120円46銭まで上昇した。

足元では日経平均先物が1000円近く上昇しているほか、上海総合指数も堅調な値動きとなっていることから、日経平均は後場一段高が予想され、ドル・円もそれに連動する見通し。前週上値抵抗レベルだった120円70銭付近を上抜けられるか注目されよう。

12時29分時点のドル・円は120円35銭、ユーロ・円は134円53銭、ポンド・円は182円29銭、豪ドル・円は84円90銭で推移している。

(為替・債券アナリスト 吉池威)


■後場のチェック銘柄

・前場はFリテ<9983>1銘柄で日経平均を131円押し上げ
・日経平均構成銘柄のうち東芝<6502>のみ下落
・米アップルの新製品発表会を控え、村田製<6981>など大幅反発


☆後場の注目スケジュール☆

<国内>
・特になし

<海外>
・特になし

《SY》

 提供:フィスコ

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