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【通貨】欧米為替見通し:ドルもみあいか、中国の輸入大幅減と上海株高を材料視


欧米市場でドルはもみあう展開を予想する。8日に発表された中国貿易統計が低調だったことが意識され、欧米市場では株安・ドル安に振れる可能性がある。逆に、上海株が切り返したことが意識されれば、前日中国政府が発表した株価対策と合わせ、買い材料となろう。

中国の貿易統計は、輸出額が前年同月比-5.5%(予想は-6.0%、前月-8.3%)で、輸入額は13.8%減少(予想-8.2%、前月-8.1%)となった。10カ月連続で減少しており、市場では中国景気の勢いが鈍っているとの見方につながった。これを受け、米ダウ先物指数が時間外取引で一時上げ幅を縮小した。

一方、中国政府は7日夜、株式を1年以上保有する株主に対し、配当金に課せられる個人所得税を免除する株価対策を発表した。短期的な投機取引を抑制し、株式の長期保有を後押しすることが狙い。ただ、8日の上海総合指数は後場には大きく切り返したが、前場で弱含んでいたことから、株価対策の効果とは判断しにくい。また、日経平均株価も8日の取引で年初来の上昇分を他の先進国と同様に帳消しにしたことも材料視されそうだ。

欧米市場ではこうした中国の経済指標や株価をどのように消化するのか注目される。特に、米国市場はレイバー・デー明けとなり、今日から取引が本格化される。4日に発表された米雇用統計は、非農業部門雇用者数が雇用の持続的改善に必要とされる20万人台を割り込んだことから9月利上げを強く裏付ける内容ではなかったことが改めて意識される可能性もあり、ドル・円は売り買い交錯でもみあう展開となろう。


【今日の欧米市場の予定】

・18:00  ユーロ圏・4-6月期GDP改定値(前期比予想:+0.3%、速報値:+0.3%)
・23:00  米・8月労働市場情勢指数(予想:1.6、7月:1.1)
・02:00  米財務省3年債入札(240億ドル)
・04:00  米・7月消費者信用残高(予想:185億ドル、6月:207.4億ドル)

《SY》

 提供:フィスコ

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