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【経済】米国の9月利上げは不可能ではないか


注目の米国の雇用統計の内容は一言でいうとマチマチだった。米国連邦準備理事会(FRB)は金融正常化を目指し年内利上げの方針を示唆しているため、9月にも利上げするのではないかとの見方も一部にあったが、最も重要な非農業部門雇用者数が予想の22万人に対して約5万人も少ない17万人と前月から急減した状態ではすぐに利上げに動くのは難しいだろう。
 イエレンFRB議長も繰り返し、「利上げができるのに自信が持てる数字」を待っている旨を表明している。
 加えて、今回開催されたG20で名指しこそされなかったものの、利上げは「慎重に検討するように」と共同声明にわざわざ盛り込まれ、米国の早期利上げは強く牽制された。
 中国の利下げに端を発した金融市場の混乱もまだ収まっておらず、世界経済全体の見通しも不透明な状態となっている。中国政府が今後どのような対応や経済対策を打ち出すのか等を見極める必要もある。
 現在の状況で、9月16~17日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げを決定するのはリスクが高く、イエレンFRB議長を始めとする「ハト派」が利上げの決断を下す可能性は極めて低くなった。
《YU》

 提供:フィスコ

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