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【市況】為替週間見通し:ドル・円はやや下げ渋りか、9月利上げの可能性を探る展開


■ドル下落、アジア、欧米諸国の株安が嫌気される

先週のドル・円は軟調推移。ドルは一時118円61銭まで下落した。アジア、欧米諸国の株安を意識してリスク回避の円買いが活発となった。4日に発表された8月米雇用統計では、失業率は5.1%に低下したが、非農業部門雇用者数は市場予想を大きく下回る17.3万人の増加にとどまったことでドル売り材料となった。米9月利上げの可能性は残されているとの声が聞かれたが、中国経済の先行きに対する不安は残されており、豪ドル、NZドルに対する円買いが増えたこともドル安・円高の進行を促す一因となった。先週の取引レンジは118円61銭から121円75銭となった。

■ドル・円はやや下げ渋りか、9月利上げの可能性を探る展開

7日はレイバーデーで米国市場は休場となるが、8日以降は欧米の市場参加者が夏休みを終えて取引は本格化し、商いは膨らむ見込み。9月16-17日に開かれる米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ実施の有無を探る展開となる。

4日発表された8月の米雇用統計では、失業率が予想外の5.1%に低下した。非農業部門雇用者数は前月比+17.3万人に増加にとどまったが、6月と7月の雇用者数は上方修正されており、9月利上げの可能性は十分残されているとの見方は少なくない。今週発表される経済指標内容を慎重に点検しつつ、9月利上げをある程度織り込む形でドル・円は下げ渋る可能性がある。

【新規失業保険申請件数】(10日)
米連邦準備制度理事(FRB)は金融政策の変更に際して、雇用情勢を最も重視していることから、雇用関連の指標は引き続き注目されそうだ。申請件数の減少は利上げ期待でドル買い材料となる。8日に発表される8月米労働市場情勢指数(LMC1)も手掛かりとなりそうだ。7月実績の+1.1を上回った場合、9月利上げの支援材料となり、ドル買いを促す可能性がある。

【8月生産者物価指数など物価関連指数】(10-11日)
FOMCの物価判断にあたり、10日の8月輸入物価指数(7月:前年比-10.4%)、11日の生産者物価コア指数(コアPPI)(7月:前年比+0.6%)が注目されそうだ。物価下落に対する警戒感が低下した場合、早期利上げの思惑が強まり、ドル買いを促す一因となる。

予想レンジ:117円50銭-120円50銭

《FA》

 提供:フィスコ

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