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【経済】NYの視点:HAPPY BIRTHDAY MARIO ユーロの上限は限定的


定例理事会が開かれた9月3日に誕生日を迎えたドラギECB総裁は理事会後の記者会見で、2011年の欧州危機時と同様、「必要とあれば責務の範囲内で全ての手段を用いる」と量的緩和(QE)拡大も辞さない構えを見せ、警戒感がくすぶる金融市場に安心感を与えた。

通貨に関しては、「G20諸国は競争的な通貨の切り下げを行わないことを公約している」と言及すると同時に、ドラギ総裁は「ユーロ相場は政策目標ではないがインフレ、成長に重要」とたびたび繰り返している。ECBが資産購入を開始した3月以降、ユーロの下落は一段落している。逆に、域内の経済指標の改善に加え、中国の景気鈍化や金融市場の混乱で、リスクを回避する動きにユーロキャリー取引手仕舞いのユーロ買いも目立つようになった。

欧州中央銀行(ECB)は今後しばらくユーロの上昇を容認することはないだろう。ユーロ・ドルが2014年5月の1.40ドル付近を再び目指すような展開になった場合には欧州中央銀行(ECB)関係者からのユーロ安誘導発言、または追加緩和が導入される可能性も否定できない。昨年5月の定例理事会で、欧州中央銀行(ECB)は金融政策を据え置いたが、ドラギECB総裁が会見で追加緩和を示唆したことを背景にユーロ売りが加速。これ以降、ユーロは下落基調にある。欧州の景気回復には当面ユーロ安が必要。ユーロは引き続き“戻り売りSell onrallies”が機能すると考えられる。

《NO》

 提供:フィスコ

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